周りにANT組むとか組んだとかそういう人がちらほらいたので思い付きで久々に書いた
明確な回答ではなく、どのように考えるかの指針にしてもらいたい
更生無しの一発書きのため色々おかしいと思われるので指摘万歳(めんどくさいので直すかどうかはわからんw)
あと、超長文(1万6千字)なので必要な人だけ読んでもらえればと
(元データはWordなのでもし欲しい人がいたら送ります)
これ本気で書いたら10万字行くな~軽い小説クラスか

読むとANTを組みたくなる?導入書
第1章 ANTの回し方(基礎編)
1 構築の理解
ANTというデッキを使うにあたり、まずはこのデッキがどういうものなのかを理解する必要があるでしょう。まずは自分が使っているデッキのリストを見てください。

4Brainstorm(BS)
4Dark Ritual(DKR)
4Cabal Ritual
1Ad Nauseam(Ad)
4Ponder
4Gitaxian Probe
2Preordain
3Duress
3Cabal Therapy
1Thoughtseize
4Infernal Tutor
1Past in Flames(PiF)
1Tendrils of Agony(ToA)
1Dark Petition
4Lotus Petal
4Lion’s Eye Diamond(LED)
1Island
1Swamp
3Underground Sea
1Volcanic Island
1Tropical Island
4Polluted Delta
4Flooded Strand
※()内は略称。以下その略称を使用する。

このデッキは、「マナソース」と「潤滑油」と「ハンデス」と「爆弾」と「触手」で構成されています。
一般的なデッキのように、相手のクリーチャーを除去しながら自分もクリーチャーを展開して殴るというようなことはありません。
基本的なアクションは、「ハンデス」で妨害を落とし、土地と16枚のマナ加速という「マナソース」と「潤滑油」となるドロースペルや2種の教示者から速やかに、「触手」に繋げるためのAdとPiFという「爆弾」を通し、さらに手に入れた大量のマナ加速からマナとストーム(※同一ターン内に唱えた呪文の総数の積み上げのこと。キーワード能力であるストームからの俗語。)を得て「触手」を唱えるというものです。
これをすべて同一ターン内に行うことで、得たストームはToAをその能力により唱えただけで致死ダメージを与える必殺のスペルに変えることができます。
 レガシーに限らないことですが、構築のデッキにはLightning Bolt(以下Bolt)やSwords to Plowshares(以下StP)などの除去が含まれ、一切クリーチャーを採用しないANTというデッキは、それらのデッキに対してデッキ構築においてアドバンテージを得ていということになります。ゲーム開始前から有利に立っているといえるのです。
 そのため、数枚のハンデスで妨害をどかしきれるし、マナ加速という、本来何もしないカードを大量にデッキに入れていても、勝つことができるのです。
 これがANTです。

2 勝ち筋
基本的な勝ち筋とそのパターンについて解説すします。
既に説明したとおり、最も簡単なものが、マナ加速からPiFやAdを使用し、さらにマナ加速をしてToAに繋げるというものです。
実際にやってみましょう。
以下のとおりの状況で相手の妨害は一切なく、相手のライフは20という想定で始めます。
ハンド:Dark Ritual,Cabal Ritual,Infernal Tutor,Lion’s Eye Diamond,Polluted Delta
戦場:Underground Sea×2,Island(ともにアンタップ状態でセットランド済)
墓地:Brainstorm,Gitaxian Probe,Thoughtseize,etc(7枚以上)
妨害がないことから、処理は簡単である。以下は一例

1)Dark RitualをUnderground Seaよりキャスト(BBBが出る)
2)Cabal RitualをBBでキャスト(BBB→BBBBBB)
3)Lion’s Eye Diamondをキャスト
4)BBからInfernal Tutorをキャストした後で相手に優先権を渡す前にLEDの能力を使用してPolluted Deltaを捨てつつRRRを出す(BBBBBB→BBBBRRR)
5)Past in Flamesをサーチし、すぐにRRBBからキャスト(BBR)
6、7)フラッシュバックを得たマナ加速2枚を使用して大量にマナを得る(BBR→BBBBBBBR)
8、9)BBからTutorをフラッシュバックしてもう一度TurorをサーチしBBからさらにそのTutorをキャスト
10)TutorでTendrils of Agonyをサーチし、キャスト

これでストーム9のToAの完成。マナに余裕があり(VolcaとUnseaを使っていない)墓地にカードがある(BS,Probe等)ので、もし相手のライフが20より多くても勝つことができます。
 基本はこの過去ルートから勝つことになります。ざっくりとした目安は、マナ加速3枚+Tutorといったところでしょう。
しかし、ハンドに来たマナ加速がアーティファクトに偏っている(Lotus Petal,LED)時や、墓地を追放される危険があり、墓地を利用したチェインができない場合は、TutorからAd Nauseamをサーチして唱えることもあります。この場合は、マナとライフに余裕があれば概ね勝ちきることができますが、どちらか一方でも不足している(使用可能なマナ0やライフ10以下等)場合はライフが足りないことがあるため、どうしてもPiFが使用できない状態でしか選択しません。
なので多くのANT使いはAdルートが嫌いです。

3 ドロースペルの効率的な運用
ここまで、基本的な最終着地点について解説してきましたが、勝つためのハンドになるにはドロースペルの運用が必要不可欠です。ANTを使う上で、勝ちルートに気付くことは必須能力であり、皆が当然持っているもので(一部例外的な高難易度の盤面は除く)、実力の見せ場ではありません。そこに如何に至るかが最もスキルを要求されることになります。
その中でも、ドロースペルの使い方は、ANTに限らずコンボデッキの基本であり、いくつか定石があるので紹介します。もちろん例外はあるのが細かい部分についての記載は割愛。

1)Brainstorm
レガシー界最強の呪文。合言葉は「ギリギリまで使うな」。
3枚引いて2枚戻すという能力を一番効率よく活用することができるのは、有効牌3枚を手に入れて不要牌を2枚戻してからフェッチランドによりシャッフルすること。3枚引いた中に不要なものが混じる可能性もあるので不要牌が2枚になるまでとは言わないが、少なくとも戻したいカードがない状況で使うBSはただの1マナの無駄。
また、相手のハンデスに合わせてキャストすることでライブラリーのトップに落とされたくないカードを逃がすこともできます。
2)Ponder
ドロースペル4種類の中で、最もアクセス枚数の多い呪文。基本は、トップ3枚見て必要な1枚を手札に入れて、フェッチでシャッフル。必要なものが2枚以上ある場合は一番必要なものをトップに置いて次に必要なものを引いくことで、次のターンのドローなどで引いてコンボ始動につなげることで、ハンデスを回避しながらパーツにアクセスすることができます。
 アクセス枚数の多さから、どうしても今ほしい1枚があるときはどのドロースペルよりも優先されます。もちろん、必要なものが複数枚あるときはBSに頼るしかありません。BSさいっきょ。
3)Preordain
一番弱いドロースペル。一応、フェッチがないときなどにPonder等より使いやすくなることはあるが、大体弱い。フェッチのシャッフルと合わせる意味がほぼないため、1T目に使用するならどのドロースペルよりも優先されます。
また、フェッチがない状態でほかのドロースペルと併用する場合も、これを使用した後にPonder等を使うことで総アクセス枚数が増えます。
4)Gitaxian Probe
ただ1枚引くだけ。だが、その強さはPreordainを上回ります。このデッキにおいて、ライフはそこまで重要ではないので、これはライフを犠牲に相手の手札の情報を得て、ストームを1ためることができる優秀なドロースペルといえます。
ライフを積極的に攻めてくる相手に対しては1マナ1ドローに成り下がることもあるが、情報はMTGというゲームにおける疑似的なアドバンテージとなります。Cabal Therapyと合わせて相手のハンドから複数枚のカードを奪ったり、ストームを稼いで手札から直接ToAをキャストするために必要なストームを稼いだり、Ponder等と合わせてトップの必要なカード2枚を引き込んだり、様々な運用ができるが最も基本的な運用はコンボ始動の時の前方確認でしょう。
特に選択肢がなく、IslandからPreordainを使用することが決まっている1T目に無駄に消費して良いものではありません。自分の選択をより効果的なものにするために使用するスペルです。

以上の点について留意し、一つ一つのアクションについて最適な選択をし続けることでANTというコンボはようやくある程度の蓋然性を以て成立するようになります。基本的にはTutorを最優先に探し、そのあとでマナ加速などの端を固めるカードを見つけることとなりますが、状況によって探すものは変わってきます。細かい部分についてはあえてここでは説明しません。今どんな状況で何が必要なのか考えながらプレイし、迅速かつ的確なコンボの始動に努めていただきたい。その試行錯誤が楽しいので。

4 苦手な戦略
多くのデッキに対して、除去が入っている分だけメインデッキでは有利になりますが、もちろん不利な相手も少なくはありません。
その構造上、「0~1マナのスペル」を「大量に」使用する必要があり、「妨害排除手段がハンデスしかない」ため、特定マナ域を封殺するChalice of the Voidや、Thalia,Guardian of Thrabenの様な追加マナを要求するカードは着地=ほぼ負けを意味することになります。これらはそれぞれEldraziとDeath&Taxes等にメインから標準で搭載されているため、これらのデッキにはメインから簡単に負けてしまいます。
また、ANT相手に不要牌が少なく、Gitaxian ProbeとCabal Therapyによりクリティカルにコンボパーツを抜くことができるBUR Delverもあまり得意とは言えません。
また、これはコンボデッキの宿命でもあるのですが、自分より始動の早い、ReanimatorやTinFinsのようなコンボ相手にも妨害が間に合わず、不利になります。
もちろん、それ以外でも、Snapcaster MageとCounterspellで1対1交換を続けられたり、Hymn to Tourachなどのハンデスによってリソースを根こそぎ奪われつつDeathrite Shaman(以下DrS)により墓地のリソースを奪われて負ける(大量にハンデスされてもPiFを通常キャストで使用することで墓地にあるドロースペルの分だけカードを引くことができるがDrSによりそれも封じられる)など、メインデッキでも苦手とする戦略は多数環境に存在します。
自分はこのデッキが好きですが、非常に扱いが難しいうえに、上記のとおり、苦手な相手も多数存在し、決して強いとは言えません。流れるような美しいコンボであることは保証するので、それが好きで好きでたまらない人に是非使ってもらいたいです。

5 サイドボーディング
 レガシーにはANT以外にもいくつかコンボデッキが存在する。前述したように、コンボ以外のデッキの多くは、コンボに対して構築時点で不利になり易いことになります。それ故、サイドボードには多くの対コンボ用のカードが置かれています。
 メインボードでも常に勝てるというわけではないにも関わらず、さらに相手の不要牌が減るとなるとサイドボード後はいっそう勝ちにくくなってしまいます。
 そのため、ANT側のサイドボードはほとんどが相手の対策カードへの対策で占められており、そうでないものは概ね勝筋をズラすカードです。(一応、自分より早いコンボなどへのサイドボードもあるが、外科的摘出と狼狽の嵐程度である)
 しかし、ANTというデッキが、そもそもメインデッキで完成されており、60枚すべてが一つの勝ち手段に向かって構築されているようなものなので、サイドボードを入れすぎると、デッキそのものの機能不全を起こす可能性があり、基本的には近い目的のものをより効果的なものに入れ替えることになります。
 例を挙げるために自分の現在使用しているデッキのサイドボードを紹介します。
4Dark Confidant
2Surgical Extraction
1Chain of Vapor
2Abrupt Decay
1Ancient Grudge
2Pyroclasm
1Empty the Warrens(EtW)
1Liliana, the Last Hope
1Engineered Explosives(EE)
 4枚のDark ConfidantやLiliana,the Last Hope、Sensei’s Divining Topの禁止後にもかかわらずAbrupt Decayをとっているなど少し異質な構成になっているので構築においてはあまり参考にしないでください。
で、サイドボーディングの例ですがDeath&Taxesのような生物主体のデッキにはDuressは有効牌とは言えない。しかし、場に出てしまったThaliaやサイドボード後に入ってくるEthersworn Canonistはゲームを終わらせる力がある。というか除去しなけれな勝てないので、それらをどかすことのできるカード(Pyroclasm、Liliana、EE等)をサイドインすることになります。
また、このサイドボードであれば、Death&Taxesは除去がもともとStP4枚しかなく、サイド後であればそこからさらに減ることが予測されるため、Dark Confidantはアドバンテージを得ながら除去にアクセスするために比較的有効なカードであるので、必要牌へのアクセスという目的のなかで一番弱いPreordainなどと入れ替えてサイドインするでしょう。
全てのデッキに対するサイドボードのインアウトをここで表にするのは避けます。その表にとらわれて、相手が予測するデッキから少しズレていた時やTier下位のデッキに対応できなくならないようでは意味がありません。その都度、その時のメタゲームに合わせ、相手のデッキとプラン、サイドボードの候補を考え、どんなカードが有効か考えながらサイドボードを検討しましょう。

ここまで出来るようになって、ようやく初心者脱出というところでしょうか。プレイ頻度にもよりますが、地方のプレイ環境で、週1程度のプレイではここまで至るのに数ヶ月要するでしょう。ですが、勝った時の楽しさはもっと大きいので、諦めずに対戦を繰り返し、練度を上げていきましょう。

第2章(中級編)
1 予測と確率
Game1、先手、相手のデッキは不明でハンドがLotus Petal,Dark Ritual,Dark Ritual,Cabal Ritual,Lion’s Eye Diamond,Infernal Tutor,Ponderです。初手7枚に土地がありませんが、Lotus PetalとPonderがあり、土地にはアクセスできそうです。しかし、思い切ってDark RitualからInfernal Tutorまで繋げて、それが通ってしまえば、99.9%勝ちです。それが通ってしまえば。
 逆にInfernal TutorにForce of Willが飛んで来れば土地もハンドもなくなりデッキもバレたうえで99%負けるでしょう。
 あなたはこのハンドをKeepしますか?また、どのようにプレイしますか?
 Game1、相手のデッキはBUG Cascade、コンボを始められるようになった状態でDuressを使用したところ、相手のハンドはBS2枚とBaleful StrixとTarmogoyf。1枚は落とせるが、もう1枚のBSは残ってしまい、追加のハンデスはない。今回もInfernal TutorでPiFに繋げて勝つことができる状態ですが、ハンドに残ったBSが気になります。相手の土地は3枚アンタップ状態で、BSから何かしらカウンターが飛んでくるかもしれない。
 あなかたこのターンにコンボを始めますか?
 まれに、ANTはソリティアだと、壁相手でも変わらないなどと言われることがあります(実体験)。確かにコンボが始まってしまえばほとんど途切れることなくスペルを連打することにはなりますが、それに至るまでには無数の駆け引きが存在しています。
 セットランド前にPonderをキャストしたが悩まずに通したからDazeがないと予測したり、前述したような状況で相手に回答を引かれてしまう確率を計算したり、相手との見えない対話が無数に積み重なることでゲームが構築されており、始動後は1つの目的に向かってAll Inになることから、ほかのデッキよりもミスが致命的になり易く、繊細かつ正確な計算が必要なのがANTというデッキです。
 例えば、最初の初手Keepの状況ですが、環境に初手ぶっぱを止めるカードがほぼForce of Willしかなく、それを採用するデッキが仮に30%存在したとして、さらに初手の7枚にに特定の4詰みのカードが来る確率が約40%(39.95...%)であり、それらを、マッチ開始時点の情報がない状態での確率で計算するのであれば、24%。つまり、最初の初手は76%の確率で勝てるのです。その確率に賭けない理由は存在しないでしょう。そのままプレイしてもそれ以上の確率で勝つことができる人はいないでしょうし、マリガンしたらなおさら勝率は下がるでしょう。つまり。最初の問いは、迷わずにPetalからRitual連打しLED→Infernal TutorでWillされなければPiFで勝ち!というのが正解です。
 それだけの思考が、初手キープの判断だけで介入するデッキが、壁相手でも変わらないわけがありません。自分の感覚では、デッキが回るかどうか判断する程度は壁相手でも問題ありませんが、まともにプレイして勝つためにはソリティアを何回しても意味がありません。
 対戦相手のアクションや、見えない部分の確率を計算し、相手との駆け引きを行いつつ、総合的に最も高い確率を選択してプレイしていくのもANTの楽しみです。
 まるでポーカーの様ですが、個人的にANTのプレイとポーカーは非常に似ていると感じています。まあ、ポーカーについては興味があったらPokerStarsをダウンロードしてみてください。

2 呪文の価値と勝ち筋の選択
 次は、如何に呪文を使用して、どのような勝ち筋に向かっていくかについてです。
 前述したように、Adルートは条件が良ければほぼ勝つことができますが、それでも確定した勝ちをもたらすものではありません。実際、ライフ19浮き1マナやライフ18浮き2マナから勝ちきれずにターンを返したり、ライフがなくなってしまったことがあります。
 非常にレアなケースではありますが、そのような不運が発生する確率は残ってしまいます。そのため、基本的にはPiFルートにより確実に勝てるように考えます。
 もちろんAdをキャストするタイミングもあります。例えば、UW系のコントロール相手にはAdはハンドに来てくれるととてもありがたいカードになります。
 相手のカウンターが複数枚あるため、通常のキルターンである3T目までに勝てない時などにハンドにAdが来ると、土地5枚並べた状態で相手のターン終了時にAdを使うことでカウンターをつり出しつつ、相手のマナを縛り、次のターンに動きやすくなります。
 また、コンボデッキとのマッチにおいても、お互いハンデスなどの妨害を好感し続けた結果、リソースが尽きることがあり、そういったときに、1枚で勝ちまで持っていけるAdというカードは非常に強く、確実にハンドに来てほしい1枚です。PiFでも墓地をリソースにアドバンテージをとることができるのですが、そういった状況でのPiFはAdよりも確実性を欠くうえに、ハンドからキャストしたとしても4マナ+Xが必要となり、概ね得られるアドバンテージはXと同数であり上限が低いため、Adに劣っています。(Tutorが墓地にあるとPiFからそのまま勝ちにつながることもありますが)
 その一方で、対BUR Delverにおけるリソース勝負においてはPiFが大きくリードしています。数枚のマナ加速と数枚のドロースペルがあればPiFはマストカウンターの強力な呪文になります、Adほどのアドバンテージはもたらさないものの、ライフを削ることなくアドバンテージを得られ、かつ、DrSが居なければフラッシュバックにより2回カウンターを使わせることができます。また、フラッシュバックという能力はCabal Therapyにより墓地に送られても相手にプレッシャーを与えることになり、ハンドのリソースを使用せずに相手にFoWを使わせることができます。
 PiFの通常キャストに全力を費やした相手を見ながら涼しい顔でRitualからInfernal Tutor→AdやTutor連打からEtWやToAに繋げられるのです。
 このように、AdとPiFは状況によって強さや用法が大きく変わります。そして、それはANTというデッキに入っているほぼすべてのカードついても同様のことが言えます。
 レガシーでは一般的な話ですが、所謂「ブレストロック」という状態があります。シャッフル手段がない状態で、必要なカードを探しに行くためにとりあえずBSを使ったら、必要なカードもフェッチも見つからずに2Tもアクションが止まってしまう状態です。やむなくPonderでシャッフルしたり、Preordainで2枚をボトムに送ったりということもありますが、何もないとなると2Tを完全になにもせずに終わることになり、それはレガシーという環境においては負けと同義といっても良いでしょう。このようなシャッフル手段の乏しい状態ではBSよりもPonderやPreordainの方が使いやすくなります。
 また、テキストを読めば当然なのですが、Duressは生物を多用するデッキ相手には全く役に立ちません(Elves!などの例外もある)が、Cabal Therapyは相手のハンドを確認する術がないときは非常に扱いの難しいカードになります。その一方で、相手が同じカードを複数枚持っていることがGitaxian Probeなどで確認できるときは、Cabal Therapyは最高のハンデスといえるでしょう。Counterspellが2枚とVendilion Cliqueがあるが相手には3マナしかなく、こちらのハンドにはハンデスが1枚しかないがコンボ始動できる状況で、そのハンデスがDuressであれば相手は悩むことなく通すでしょう。しかし、Cabal Therapyに対して相手はVendilion Cliqueを構え続けることができるでしょうか。相手の視点から見れば、このマッチでとても大事なCounterspellが2枚奪われて仮にVendilion Cliqueが生き残ったところで、こちらが再度コンボパーツを集めなおすまでコンボを阻害し続けるか、非常に厳しい判断でしょう。その前に、このターンを生き延びなければいけないので、Cabal Therapyを通してVendilion Cliqueを構え続けるのが正解となります。しかし、このターン勝てるパーツがそろっているこちらのハンドが見えない状況ではCounterspellを使用してしまう人も少なくないでしょう。そうなればこちらの勝ちです。
このような場面は、ゲームの中で何度も訪れます。一つ一つの呪文がそれぞれ違う価値を持つことを認識し、いまどのような状況にあり、どうされるのが一番相手としては嫌で、自分の勝に近づくのか、対戦を重ねながら検討してみましょう。

3 Keep or Mulligan
 1キルハンドをKeepするかどうかについては確率を予測の項でも述べましたが、そのほかにもKeepを迷うハンドというのは無数にあります。それらをすべて検証するのは何年かけても難しいので、どのような時にKeepし、Mulliganするのか数パターンに分けて検証しておきましょう。
 1)土地が1枚しかないなどマナベースに不安がある場合
  先手で、Polluted Delta,Ponder,Preordain,Dark Ritual,Infernal Tutor,Infernal Totor,Duressというように、妨害排除とマナ加速とTutorはあるものの、土地に若干の不安が残るハンドです。
  パッと見で、土地がほしいからMulliganと言ってしまう人もいるかもしれませんが、概ねこのハンドはKeepです。これも確率の問題になりますが、DeltaからIslandを持ってきてWastelandをケアしたまま1TPonder、2TPreordainと動くことができ、Ponderで4枚、通常ドローで1枚、Preordainで3枚の合計8枚のカードにアクセスできます。これで土地が見つからない確率は、15%程度でしょう。Mulliganした後に6枚に土地が2枚来る確率よりKeepして追加の土地が見つかる確率の方がかなり高くなります。仮にこれがPonder1枚だけでも5枚で約70%、Preordainでも4枚で60%の確率で土地が見つかります。
  相手がわかっている場合に選択が変わる可能性はありますが、このようなハンドは概ねマリガンする理由がないでしょう。
  マリガンすべきは、土地1に対してドロースペルが1枚もなく、コンボが決まる見込みがないようなハンドです。Polluted Delta,Dark Ritual,Dark Ritual,Cabal Therapy,Duress,Cabal Ritual,Past if Flamesのようなハンドは、マナ加速とハンデスがあり、Infernal Tutorを引けば勝てるように見えますが、PiFが邪魔になり暴勇が達成できず、土地かLotus Petalを追加で引き込まなければならないうえに、それらを探す手段(ドロースペル)がない状態で、Keepした場合、勝つまでに何ターン必要になるか想像もつきません。惜しいハンドではありますがMulliganしましょう。
2)ドロースペルと土地しかない場合
Preordain,Ponder,Brainstorm,Ponder,Polluted Delta,Polluted Delta,Lotus Petalのようにほとんどハンドにドロースペルと土地しかない場合。それは個人的には非常に強いハンドの一つであると思っています。
このデッキにおけるドロースペルは潤滑油です。その時その時において見えた複数枚の選択肢の中から最も必要とするカードをハンドに加えることが基本的な目的です。PreordainはDark Ritualにかわり、PonderはGitaxian Probeを経由してCabal Therapyを手に入れて、Brainstormは過剰な土地を戻しつつ次のドロースペルやInfernal Tutorなどのフィニッシュ手段をもたらしてくれるでしょう。
ドロースペルが多いと、それらを消費するのに青1マナを必要とし、上記のハンドであれば消費しきるのに概ね2~3Tはかかってしまいます。それ故、Death&Taxes(Thalia着地する前に勝たなければならない)やBelcher(速度勝負になる)など、迅速にコンボを決めなければいけない相手には最悪の手札になりますが、それ以外であれば非常に良いハンドであるといえるでしょう。例えば、JundがThoughtseizeを使ってきたとしても、何を落としてもその後に必要な別の何かに代わるだけであり、ただの1-1交換をするだけになります。コンボ直前のターンにInfernal Tutorなどコンボを阻害されるカードを落とされるよりもその後のコンボを始動できるまでに持っていく(平均)速度は圧倒的に早くなります。
このような点から概ねMulliganする必要はないでしょう。
 3)ハンデスがないぶっぱハンド
  既に述べてありますが、先手1キルハンドは概ねKeepします。そんなハンドが初手に来る確率は10%にも満たない非常にまれなものです。デッキに感謝しながらぶっぱしましょう。Willがあった?運が良かったと相手を称賛しましょう。
 4)その他
  最初に述べたとおりこの殴り書きの文章では検証できないハンドは無数に存在します。しかし、そのどれもが基本的には確率計算と動きの予測をすることでKeepすべきかMulliganすべきか判断できます。明確な回答の存在しないものもありますが、上述した判断と同様により良い選択ができるように練習しましょう。

4 構築の差
最初に自分が使っているANTを例として紹介しましたがANT(TESを含むかどうかについては議論がある)には複数の類型があるので紹介する。長くなるのでそれぞれのデッキリストについては記載は避けます。インターネットが普及している時代でもありますのでいろいろ検索してみてください。

1)追加Tutor型
Grim TutorかDark PetitionをInfernal Tutorに追加で採用している、おそらくもっとも一般的なANT。Grim TutorとDark Petitionには少しずつ違いがあります。
まずGrim Tutorですが、3マナと軽く、暴勇の必要がないので、特にサイドボード後などに、土地3枚からキャストしてPiFやサイドインしたカードを直接サーチすることができます。しかし、コンボ途中においては3マナと重く、Cabal RitualがないとPiFルートが採用しにくく、また、Adルートにしても追加効果の3点ルーズライフが痛く、Adからめくれた場合は実質6店のライフを失うに等しいという欠点があります。
Dark Petitonは、5マナと重くいためなにかしらの儀式がないとキャストできず、DazeやSpell Pierceに引っかかりやすいという難点があります。また、墓地がないと追加のマナも発生しないため、Rest in Peace(以下RiP)等の墓地対策に引っかかってしまいます。5マナのただのサーチスペルはとても使えたものではありません。その一方で、実質2マナしか消費しないため、コンボの最中においてはGrim Tutorよりもずっと軽く、Infernal Tutorと変わらない、むしろ暴勇の必要がないことからより使いやすい呪文であるといえます。また、Adからめくれたときは5点ルーズとGrim Tutorより1点低いのもポイントです。
それぞれメリット・デメリットがあるのでどのような構築にするかはメタゲーム次第ですが、いまのところPetiton型が現在の主流になっています。
2)16キャントリップ型
自分がANTを構築する上で基礎としている構築です。
追加のTutorを採用せず、ハンデスを6枚まで減らす代わりに、通常2枚程度のPreordainを4まで増量し、ドロースペルを連打してコンボを安定させる型です。
ドロースペルの強さについてはハンデス後の回復速度で説明しましたが、その強みを前面に押し出すかわりに、ドロースペルを使わなければコンボが決まらないため、若干の速度を犠牲にしています。Chalice of the VoidやThaliaなど致命的なパーマネントが蔓延している環境ではあまり良い選択ではないでしょう。
 3)ダブルPiF、Ad型
  奇跡が環境を支配していたころに流行っていた型です。リソース交換になることが多い相手に対し、マストカウンターカードを増やしたり、墓地を積極的に活用することでアドバンテージを得る手段を増やした形です。
  1の型よりも少し速度も上がるが、無駄牌がハンドにたまってコンボ始動できなくなる可能性が高まるなど、わずかに安定性を欠きます。
4)Buring Wish型
Wishを経由することで、ダブルPiF型のように疑似的にPiFを増量したようなアクションをとったり、本来はメインでまったく触れないThaliaなどのパーマネントに対処できる可能性を残す万能型。
速度も、EtWを目指すことにより始動を早くすることもできるし、Burning Wishを経由することで一見何でもできそうに見えるが、最大の欠点はマナベースにあります。
WishからのPiFでRRが必要になるうえに、基本のアクションはUとBを連打しているため、メインからBadlandsは必須であり、2枚目のVolcanic Islandを採用する場合もあります。他の型の場合はIsland→Island→SwampのようなセットランドでWastelandを一切寄せ付けずにアクションできるのに対し、この型ではそれでは赤マナが出ずに色事故を起こしてしまいます。
また、Wishボードと言って、Burning Wish用にサイドボードの枠を使用するため、15枚をフルに使ってのサイドボードの構築ができないのも難点です。
土地に関するプレイ感が他と大きく違い、不安が大きいので、何回か自分でもこの型を使用して試してはいるものの、手になじまずに辞めてしまっています。
5)その他、TES等
  TESというのは、前述のWish型からさらに赤に寄せ、Cabal RitualよりもRite of Flameを優先して採用している、同系統のStormデッキです。一番の違いは速度と勝ち手段で、始動は明確にANTより早くなりますが、安定感はなく、WishからのEtWが勝ち筋の一つとしてかなり積極的に採用されます。EtWが十分な勝ち筋になるような環境であればこの型が正解になると思われます。
  また、ANTのメインにEtWを採用する型もあります。1の追加Tutor枠をEtWに置き換えてメインから若干の無駄杯は増えるものの、始動速度を上げて選択肢を増やして対応力を上げた型もあります。こちらは主に、ANTという形態は変えないまま、EtWへの対応力は低いが2T目までに始動しなければChalice等で一気に不利になってしまう相手に対して有効で、実際、Eldraziが環境を跋扈し始めたころから散見されるようになっています。
 
それぞれ、プレイングから速度までいろいろな違いがあるので、環境と自分のプレイスタイルに合ったデッキを選択してください。

5 サイドボードの構築
 メインデッキだけでなく、サイドボードについても様々な構築があります。こちらはメインボードの様に分類するのが難しいが、入っているカードの目的はいくつかに限られます。

1)相手の対コンボヘイトカードへの対策
  サイド後は相手の対策カードへの対策が必須になってきます。既に何度も名前が挙がっているThaliaやChaliceだけでなく、サイド後はEthersworn CanonistやMeddling Mage、Flusterstorm、Cabal Therapy、etc...様々な対策カードが入ってきます。
  実際にどのようなカードが使われ、如何に対策するかはメタゲーム次第ということになるが、採用するカードは何種類かに分類される。
  A 生物対策
   Pyroclasm、Massacre、Fatal Pushなど、Thaliaをはじめとした白いヘイトベアー(白の2マナ域に多数存在する特定のアクションに対するヘイトの高い生物群)や、最近であればLeovold,Emissary of Trestを除去するために採用される。特に最近はLeovoldの活躍が目立つので、それを除去できるFatal Pushは価値を上げている。
  B 置物対策
   Chain of VaporやEchoing Truth、Hurkyl’s Recallなどのバウンスが最も一般的で、マナベースに無理なくキャストでき、一時的に邪魔な置物を退かしてしまえば1ターンで勝てるデッキなので、バウンスというのは非常に効果的な対策カードと言えます。
しかし、Chaliceのような、そもそもデッキが機能不全を起こし、コンボの始動可能な状況すら作れない置物相手にはAncient GrudgeやAbrupt Decayなど、破壊する効果を持つカードの採用が必須となるでしょう。
  C カウンター対策
   最近は数を減らしてしまいましたが、(Canadian Threshold全盛期など)ANTのサイド後の虫(Xantid Swarm)は対策必至のカードでした。その他、Defence Grid、Hope of Ghirapurなどがありますが、最近はカウンターよりもヘイトベアーやChalice、Therapyの方がキツいためあまり見なくなっています。
2)まったく別の勝手段やクリーチャーの採用
奇跡環境の後期によく見られたのが、一番最初に紹介した自分のサイドボードにも入っている、Liliana,the Last Hopeです。このカードは、相手のSCMやVendilion Clique、Death&TaxesのThaliaなどを+能力で除去しつつ奥義により勝ちまで繋げることができる強力なPWです。DKRを経由すれば1T目にも着地可能で、Infectなど相手にも活躍します。
その他、有名なものとしては除去が減ることから、Monastery Mentorで大量のMonkを展開し、Cabal Therapyで妨害しつつ勝ちを狙ったり、Dark Confidantでハンドアドバンテージを稼ぎつつライフを攻め、他のサイドボードカードへのアクセス力を高めるといったものがあります。
これも奇跡環境に採用されたプランですが、複数枚のToA(と場合によってはPhyrexian Arenaも)をサイドに置き、ロングゲームにあえて付き合い、ため込んだハンドからマナ加速と合わせて複数のToAをキャストし、まるでBurnデッキのように動くというものがありました。(余談ですが、某奇跡四天王によりFlusterstormを本体のToAにあて、ほかのコピーを解決する前に本体を打消してそのまま外科的摘出でToAを抜くことで追加のToAをキャストすらさせないという手段でこの戦術が破られたというのはあまりにも有名)
 3)相手のデッキへの対策
  ANTというデッキがそもそも速度が速く、対策される側にあるため、あまり枠をとられない部分ではありますが、ReanimatorやTinFinsなどのようにこちらより速度が速く、特殊な対策の必要な相手が多い場合はSurgical Extraction、Flusterstormの対策を採用することがあります。

6 誘引、擬態、ブラフ
 ANTを語るうえで、ある程度熟練してくると重要になるスキルがあります。それが、「相手を騙すプレイング」です。
 手段についてはいくつかあります。例えば、前述した先手1キルハンドの場合、最初はPetalからのDKRということで記載したが、何もないところからLEDをキャストしたらどうなるか、相手から見ればドレッジかANTかの予測がつかない。もちろん、DKRからでも相手のWillを誘うには十分だが、LEDからであればPetalからPonderを使用して土地を探してリスタートに繋げることもし易い。他にも、ハンドに土地はあるが、置く前にDKRをキャスト(消さなければハンデス→コンボ開始される可能性が相手はチラつく)し、DazeやWillを誘い出してから土地を置き、コンボを始動したすることもあります。1~3T目はFlooded Strandなどのフェッチランドを置くだけでターンを返し続け、奇跡やBlade Controlに擬態して相手のドロースペルの選択を間違えさせるように動くこともあります。(奇跡ならDazeは不要か、BladeならStoneforge Mysticを除去する稲妻は必要だろう等)
相手からどう見えるか、どうすれば間違った・・・というよりこちらに有利なプレイを誘うことができるか、これは他のコンボ(Show&Tell等)にはあまり見られない技術です。
 相手の視点に立って、相手のデッキを理解したうえで自分の選択をする、まるでゲーム理論のような駆け引きが一つのスキルとしてプレイに役立つのです。

第3章(上級編なんかなかったので〆)
1 議論をしましょう
議論をします。違うな、こうじゃない。議論を、議論をしていただけませんか。議論をし、議論をしたらどうなんです。・・・議論をしましょう。
 正直、上級者向けには言えることがありません。プレイから構築まで、あらゆる状況やメタゲームについて議論をし、様々な意見を聞き、研究しましょう。ANTについて熟達すればするほど、研究と議論に熱が入り、それを繰り返しながら環境を追い続けることで上達していきます。
 ここまでくれば、もうこんな記事はなくてもANTという頂上のない塔を無限の螺旋階段で自然と登ってしまうでしょう。さあ、仲間を作り、プレイを深め、議論と研究に明け暮れましょう。
2 まとめ
 いろいろと解説しましたが、これがすべてではなく、この文章だけでは紹介しきれないプレイや選択が無数にあり、この文章はそれらの回答を明示するものではなく、解決のための基本的な指針を示したものと解していただければと思います。
 ここに記載された考え方や例を基に、経験を重ね、自分なりの結論に至っていただければ幸いです。

MOレガシーのすゝめ

俺がMOを始めた頃は、レガシーのDEなんて滅多に成立することのない過疎地だった。
そもそもDEの回数自体が少なく、日本人が昼間普通に働いていると平日は参加できなかったし、《LED》や《Will》など一部のカードが100tixを超えていて、(当時の価格では)現物のカードよりも高額で、MOレガシーは参入が非常に難しかった。
しかし、近年のQPプロモやVMAといった運営の工夫により、多くの汎用パーツが廉価(概ね50tix未満)で手に入るようになり、DEは安定して成立するようになってきた。
特にこの四月のGP京都(レガシー)の直前は、日本初のレガシーGPだったのでMOで練習する人が多かったのか、日本時間で21:00の平日のDEですら60人を超える参加者が居るほどだった。(DEは16人以上で成立する。)
そんなMOレガシーの利点を雑にまとめてみた。


【レガシー好きの集合場所】
世界中に散らばるレガシープレイヤー達の多くは、晴れ○屋の様な毎日レガシーがプレイできる場を持っていない。
仕事がそんなに忙しくないからAfter5は晴れ○屋でレガシー!なんて言えるのは国内でもごく一部の恵まれた環境にある人だけ。実際には週1回遊べれば良い方だろう。
でも、MOなら毎日レガシーができる。日によって時間は違うが、毎日DEがあるし、人も集まる。
地方民はMOに集合!!


【世界中の強豪が競うコロシアム】
オンラインだからMOには初心者もプロプレイヤーも集まって来る。
だが、そこはレガシー。スタンダードやリミテッドと違い、初期投資が必要になるので初心者が少ない(いないわけではない)。
むしろ、DE参加者を見ると(垢名なのでぱっと見ではわからないが)、エターナル界で活躍する国内外のトッププレイヤーの名前が並んでいる。
もちろん下手なプレイヤーもいるが、全体的に質が低いというわけではないので、レガシーの腕を磨くのにもMOはオススメだ。
※但、DEに限る。DE、2構、JFFとグレードは下がる。


【懐に優しい価格設定】
現物のカードは、昨今の高騰により、デュアルランドなどのレガシーに必要なパーツを揃えることが難しくなってきている。
再版禁止や暴落による影響の懸念からリアルでは再版が抑えられ、身動きがとれないような状態だ。
BUGやJundのような高額なデッキをリアルで組むとなると50万円近く必要になるが、MOではリアルのしがらみとは切り離され、再版が繰り返されているため比較的安価に組むことができる。
初期投資さえしてしまえば後が安いというのがレガシーの売り文句の一つだが、MOならその初期投資にすらあまり金がかからない。
あくまで買うものが現物のカードではなくデータ(もしくはそれによってもたらされる経験)になるので、最終的に参入に踏み切るかどうかは個々の価値観に因るのだが、検討に値する選択肢ではあるだろう。


【資産管理はおまかせ】
MTGプレイヤーなら誰しも悩む資産管理。
レガシーともなると、過去20年以上の歴史に存在する大量のカードの中から必要な一枚を探しあてることになり非常に大変。
でもMOならそんな心配はいらない。どんなに古いエキスパンションのカードでも検索1回で出てくる。
省エネルギー省スペースにMOを。


【チケ減らぬ】
実践してみてわかったが、五割そこそこの勝率でも、構築のDEをプレイするだけならほとんどチケットが減らない。むしろ今は増えている。
やればやるほどチケが減りつづけるドラフトや、環境が変わる度にデッキを組み替えなければならないスタンダードと違い、レガシーは多少の変更はあれど一度デッキを組めば延々と6チケでDEに参加し続けることができる。
6チケでDEに参加するだけなら、理論上は勝率5割程度でも賞品のパックが約3tix以上で売れる時にDEが永久機関として機能する。(5/18現在、TPR買い取り価格:3.8tix)
MOで最も金がかからないフォーマットはレガシーである。因みに一番かかるのはドラフトだ。
俺はおかげでここ1年課金せずにMOで遊んでいる。(ドラフトで消費したりしているからむしろチケ増えてる)


【ルールの確認】
MTGはルールがきっちりと整備されているが、逆に正確に把握することは難しい。
ドローフェイズに《天使への願い》が誘発して相手に誘発解決の確認をした後にフェッチを起動して持ってきた土地でマナを払ったり、相手がターン終了時のディスカードで捨てたカードに対してエンド前に《根絶》をキャストしたり、ルールを把握していれば回避できる間違いも起こる(これはGP京都二日目で実際にあった間違い)。
MOをプレイしていると、特にレガシーでは、様々な優先権のやり取りが発生するため、適切なルールを知ることができる。
レガシーに限らず、ルールをしっかり把握することは上達にも繋がる。《遺産のドルイド》の能力もみ消そうとしてるような人は勝てないよ。


時間と金に余裕がある人は是非MOレガシーもやってみよう!!

実際にレガシーのデッキを組むためにどうすべきか、注意点等について個人的な見解を羅列していく。



【目標とするデッキを決める】
絶対に妥協してはいけない。
レガシーのデッキは高い。スタンダードのデッキとは比較にならないような値段のものもあるので、後悔しないようにデッキ選択では絶対に妥協しないこと。
手持ちが15万円で、一番使いたいデッキを組むのに20万円かかるが、二番目に使いたいデッキが15万円で組めたとしても、諦めて二番目に使いたいデッキを組んではいけない。
もし、二番目に組みたいデッキ等で妥協した後で、やっぱり一番使いたいデッキが良かったと少しでも思ってしまったら、それは15万円の損。ならば、最初から追加の5万円を捻出し、一番使いたいデッキを組もう。
前回の記事でデッキの紹介をしたのはこのため。後悔してほしくないので、一番使いたいデッキを決めてからカードを買ってほしい。
周りにレガシーをやっている人がいるなら、実際にデッキを借りるなどして、レガシーを体験してみるのも良い。75枚プロキシで対戦してみるのも良い。
レガシーはローテーションが無いので一度デッキを組んだらほとんど崩さずに使い続けることができるので、強い弱いに捕われず、自分の好きなデッキでレガシーを楽しもう。



【カードを買う】
カードは必ず専門店で買うこと。
モダンやスタンダード以上に、レガシーのカードを個人間の取り引きで手に入れるのにはリスクがある。
最近話題になる贋物の危険もあるが、レガシーには古いカードも多いので状態によるトラブルが少なくない。
店で買うよりは直接個人間で取り引きした方が見た目上は安くはなるものの、贋物や粗悪品のリスクを金額に加算して考えると総合的には店で買った方が安い。
スタンダードでもオークション使ってるからといってレガシーでも同じ様に・・・と甘くみていてはダメ。カードの金額が高くなるほどリスクも大きくなるので、必ずカードは専門店で買おう。

また、カードを買うにあたって、なるべく汎用性の高いものから手を付けていくと良い。
各種フェッチランドや、青いデッキであれば《Force of Will》のような、汎用性の高いカードを優先して買うことで、万が一、違うデッキを組むことになった時でも流用できるのでリスクを抑えることができます。Jundを組むから《Chains of Mephistopheles》から買うようなことはせず、足回り(土地)から揃えましょう。



【節約術】
使いたいデッキはあるけど、どうやってもカードを揃える資金が足りない!そんな時に使える貧乏デッキという選択。
それは、諦めて使うデッキそのものを変えるのではなく、少し安い代用品でデッキを組むという奥の手。
例をいくつか紹介する。

1.土地を置き換える
Miraclesなどの中速以下のデッキを組む場合、土地にはある程度の余裕を持つことができる。
例えば、Miracleで通常三枚採用されている《Tundra》を1枚《氷河の城砦/Gracial Fortress》に変えてみたとして、デッキの挙動にはあまり影響が無いが、予算は万単位で削減することができる。
また、BUG Delverの《Underground Sea》を1枚《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》に変えた場合、序盤の挙動が多少犠牲にはなるが、土地によるクロックという新たな強みを手にすることにもなる。
土地は、各種デュアルランドを中心に、デッキの核となるため非常に高額になっている。しかし、多少の変更や代用はきくので、積極的に活用してほしい。

2.他の代用品も検討してみる
土地意外にも代用可能なカードは沢山ある。
例えば《Force of Will》というカード。
これはBelcherやThe Spyのような超速コンボには欠かせないカウンターではあるが、通常は1-2交換をしなければならない激ヨワカードである。
青いデッキであっても、Jundの様に早すぎるデッキを諦め、《Force of Will》を採用せず《思考囲い/Thoughtseize》等のハンデスを大量に積んでおくことも可能だ。
確かにコンボデッキには弱くなるが、青いカードの枚数を気にする必要が減ってデッキのパワーをあげることができるため、非コンボデッキには強くなる。
他にも、Delver系デッキで《不毛の大地/Wasteland》を採用せずにその枠をより有効なスペル(火力やカウンター等)に置き換えてみたり、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を減らし《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を採用して対PWへの耐性を高めたり、カードプールが広い分だけ工夫はいくらでもできる。
色々な代用品、いや、元々のカード以上の可能性を見つけてみてほしい。

3.色を減らす
予算がかなり苦しい時、多少の妥協をしなくてはならないこともある。
だが、全く新しい妥協点に向かう前に一つ検討してみてもらいたい。それが、色を減らす選択。
例えば、RUG Delverのようなテンポデッキを組みたかったとして、予算が足りない場合に緑を減らしてUR Delverにすると、RUG Delverのようなテンポデッキを楽しむことができるが、必要な予算には10万円以上の差が出る。
BUW Bladeでも、基本となる石鍛冶パッケージを残し、ハンデスの部分をカウンターでカバーすることで青と白の二色にまとめるだけで、これも10万円くらいの出費を減らすことができる。
これらの変更は、レガシーの中でも明確に高い、デュアルランド(RUG Delverの場合はタルモゴイフも)の使用枚数を減らすことが主目的である。
しかし、ここでも上手く構築することで元のデッキより弱くなるのではなく、《思考囲い/Thoughtseize》と《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》や、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《若き紅蓮術師/Young Pyromancer》のように、タイプの違うカードを採用することで違う強みを持ったデッキにすることが可能なので、是非様々な可能性を模索してもらいたい。



【妥協の極み】
そんなん言われても全然金無いよ!って人はBurn組みましょ。
理由は安いから。そして、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》を手にしたことで苦手としていたコンボ、特にチェインコンボに対して劇的に強くなったから。
「自称ANT使い」からしたら絶対にやめてほしいけど、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》のおかげでその他のマッチでもBurnのポテンシャルは飛躍的に上昇している。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》には《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が強く、《発展の対価/Price of Progress》が劇的に刺さるため、トップメタであるDelver系ともしっかり戦うことができる。
《実物提示教育/Show and Tell》デッキはツラいが、《赤霊破/Red Elemental Blast》や《紅蓮破/Pyroblast》で対抗することもできるし、専用に《灰燼の乗り手Ashen Rider》をサイドボードに採用しても良い。
火力の計算など、いきなり使って適切に扱えるデッキではないが、一つの選択肢として検討すると同時に、コストパフォーマンスは非常に良いのでどうしても金が無い人はBurnを組むと良いと思う。



【オススメ】
GPの為だけにレガシーやるのに金はあるけど良くわからんからオススメを教えてくれ!って方のために。

1.BUG Cascade、Jund
続唱システムが雑に強い。どちらも早いコンボは苦手だが、それはそもそもMidrangeの宿命。
特にJundはデッキ全体のパワーが高く、プレイングもそこまで難しくないため、オススメ。

2.Patriot
ライフを詰める戦略と《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《目くらまし/Daze》+《不毛の大地/Wasteland》と装備品等ディスシナジーの塊。
しかし、シナジーを無視しても強いカードが詰め込まれているため、RUG Delver程はプレイングも難しくなく、初心者向け。

3.Sneak&Show
チェイン系のコンボと違い必要な手順がシンプルで扱い易い。
常にコンボの最上位にいるため対策をされがちだが、それでも《実物提示教育/Show and Tell》を通すだけで勝ちとなるマッチは少なくない。

レガシーはカードプールが広く、一般的に使用されるカードでもスタンダードより遥かに多い種類のカードがある。
最初は誰でもわからないことだらけなので、受けるデッキや繊細なデッキではなく太く攻めるデッキを使いながらレガシーに慣れた方が良いと思う。
但、GP後も継続してレガシーを続けるなら、やっぱり先にレガシーに触れてから好きなデッキを選択して欲しいかな。





次回何を書くかネタ募集(枯渇中)

来期に国内レガシーGPが開催されることになり、レガシーを始めなくてはならないという状況に追い込まれた人が沢山いるのではないだろうか。
当然他のフォーマットのサイドイベントは開催される筈だが、年間3〜4回しかない国内GPの本戦が、レガシーという比較的マイナーなフォーマットに奪われたのだから、歓喜する俺らレガシー好きとは逆に困惑する人も少なくないだろう。
以前書いた「レガシーのすすめ」を書き直そうかと思ったがもうそんな時期でもないようなので、GPに向けてレガシーを始めるには具体的にどうしたら良いか、レガシー中毒者が可能な限りスタン・モダンプレイヤー視点で語りたい。

今回から、数回に分けて解説していきたいと思う。

第一回はデッキの紹介をしていく。
デッキは、Control、Midrange、Beatdown、Tempo、Comboに分類している。しかし、これだけでは分類できないようなデッキも無理矢理詰め込んでいるので要注意。
また、デッキの価格は概算なので参考程度に見てほしい。


【Control】
◇UW(r)Miracles(30〜35万円)
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を中心に組まれた青白のヘビーコントロールで、《赤霊破/Red Elemental Blast》や《紅蓮破/Pyroblast》の為に赤をタッチするのが主流。
除去に《終末/Terminus》と《剣を鍬に/Sword to Plowshares》を採用しているため、生物を展開して殴るデッキ全般に強い。フィニッシャーを《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と《天使への願い/Entreat the Angels》に頼っているため、勝つまでが遅く、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》と合わせて採用されている《相殺/Counterbalance》の効きにくいコンボや、生物以外の攻め手(特にPW)に弱い。

◇Nic Fit(25〜35万円)
レガシー全体のマナ域が低い事を利用し、《老練の探険者/Veteran Explorer》のデメリットを軽減し、一方的にパワーの高いカードをたたき付けることを目的としたランプデッキ。
固定パーツが少なく、自由度の高い、構築が最も楽しいデッキの一つ。Jund型が多いが、殻を採用してBUGにしたり、BGWにしてコンボを組み込んでみたり、生物を中心に据えていれば好きな事ができる。

◇Lands(25〜35万)
デッキの大半が土地だけで構成されたヘビーコントロール。
《The Tabernacle at Pendrell Vale》や《Maze of Ith》、《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のコンボ、《虚空の杯/Chalice of the Void》などでゲームを制圧し、各種サイクリングランドと《穣土からの生命/Life from the Loam》によりアドバンテージを得て、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》や《演劇の舞台/Thespian’s Stage》+《暗黒の深部/Dark Depths》によりゆっくり勝つ。
勝つまでが非常に遅く、引き分けになり易い。

◇Tezzeret Control(30〜35万円)
UBの、アーティファクトを利用したPWコントロールデッキ。《悪意の大梟/Baleful Strix》や、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》と《弱者の剣/Sword of the Meek》のコンボを採用しているため、テンポデッキやコントロールデッキには強い。コンボデッキに勝てるかどうかは《虚空の杯/Chalice of the Void》の働き次第。

◇OtherPox、Supreme Blue、Land Still(BUG、UWx)、



【Midrange】
◇BUG Cascade(約50万円)
レガシー界最高クラスの札束デッキ。高額カードが詰め込んである。
《断片なき工作員/Shardless Agent》を中心に組まれたデッキで、続唱からの《祖先の幻視/Ancestral Vision》や《Hymn to Tourach》でアドバンテージを得ながら、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で勝つ。
柔軟性は高いが、続唱というシステム故に1マナ以下の挙動が減らされていて、生物が横に並ぶデッキには除去が間に合わなかったり、コンボにもクロックが間に合わなかったりと、手数で負けてしまう事が多い。

◇BUW Blade(35〜40万)
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と《殴打頭蓋/Batterskull》等の装備品を主軸に組まれたコントロール気味の中速デッキ。ハンデスやカウンター、PWを採用して制圧力を高めている。
確定枠が少なく、生物枠が《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《未練ある魂/Lingering Souls》など複数の選択肢があり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を採用して緑を加えたDeathbladeという形もある。

◇Jund(40〜45万)
BGRのグッドスタッフ。デッキのどこを切っても強い。除去が多く、細かくアドバンテージを得ていくため、Blade系デッキなど中速以下のコントロールやビートダウンに対して圧倒的な強さを誇る。
《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のエンジンや《闇の腹心/Dark Confidant》が機能すると止まらない。
《思考囲い/Thoughtseize》や《闇の腹心/Dark Confidant》によりライフを払って攻めるためBurnに、妨害がハンデスに因るため瞬殺コンボに、色拘束がキツいことから《血染めの月/Blood Moon》などの特殊地形対策に弱い。

◇Deadguy Ale(20〜25万円)
《闇の腹心/Dark Confidant》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》のアドバンテージを得られる強力な2マナの生物をたたき付けるグッドスタッフ気味のデッキ。最近は《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《突然の衰微/Abrupt Decay》のために緑タッチすることが多く、Maverickとの境界があいまいになっている。2ターン目に《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を着地させられるなど《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の恩恵はかなり大きい。



【Beatdown】
◇Death&Taxes(10〜15万円)
現環境で最も活躍しているビートダウン。白単色のウィニーで、圧倒的な展開力やサイズで勝つのではなく、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》などのここ数年で刷られた優秀過ぎるおまけの付いた生物で制圧しながらチマチマ殴り勝つ。
《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《不毛の大地/Wasteland》&《リシャーダの港/Rishadan Port》によるロックや、《Karakas》と《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》など、シナジーが豊富。

◇Goblins(約10万円)
デッキのほとんどが土地とゴブリンで占められた部族シナジーの塊。《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》と《霊気の薬瓶/AEther Vial》から、《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》や《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》などのゴブリン群を高速展開し、《不毛の大地/Wasteland》や《リシャーダの港/Rishadan Port》により相手をロックして殴りきる。その圧倒的な展開力とデッキとハンドをぐるぐる回す動きはまるでコンボ。
ゴブリンシナジーにより圧倒的なアドバンテージを得るため、単発除去だけでは除去しきず、中速以下のデッキ全般に強い。

◇Merfolk(約10万円)
ほぼ青単色で組まれる、マーフォークのロードを大量に採用したデッキ。
12〜16枚のロードと《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《呪い捕らえ/Cursecatcher》、最近追加された《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を詰め込み、《Force of Will》のバックアップを得て、《霊気の薬瓶/AEther Vial》による高速展開から、4〜5ターンで殴りきるテンポ寄りのビートダウン。
JundやMiracleといった除去コンと、ロードの島渡りが効かずサイズでも勝てない緑系ビートダウンに弱い。

◇OtherAffinity、Maverick、Bant Aggro、Zoo



【Tempo】
◇RUG Delver/Canadian Threshold(40〜45万)
以前はレガシー界の王者であり、環境を定義するデッキであった。
最近はBUG系デッキの台頭や、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》といった苦手なカードが刷られたことによりかなり数を減らしている。
それでも《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》からの《もみ消し/Stifle》や《不毛の大地/Wasteland》、《目くらまし/Daze》による流れるような攻めを止める手段は少なく、現在でも安定して勝ち続けるデッキである。

◇BUG Delver/Team America(45〜50万)
古くから存在するBUGのテンポデッキ。RUGが衰退すると再びトップメタに踊り出た。《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《突然の衰微/Abrupt Decay》の対応力の高さ、《Hymn to Tourach》によるアドバンテージをテンポに変えて殴り勝つ。
カウンターと《Hymn to Tourach》にバックアップを受けた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》がコンボデッキに、《突然の衰微/Abrupt Decay》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》などがテンポデッキに強い。

◇Patriot(35〜40万)
早いクロックである《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と、ゆっくり盤面を作る《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が無理矢理共存するディスシナジーデッキ。方向性が定まらないが、採用されているカードが単体で強いため、安定した成績を残す。

◇UR Delver/Counter Burn(15〜25万円)
RUG Delverの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に置き換えた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》系のテンポデッキ。
ライフを狙うことに徹し《Chain Lightning》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を全力で採用したものから、RUG Delverの単緑が抜けただけの様な形のものまで、多様である。

◇Other(4color Delver、Grixis Delver、Stiflenought)



【Synergy】
◇Post(約10万円)
《雲上の座/Cloudpost》を《ヴェズーヴァ/Vesuva》などで増殖し、マナを伸ばしてエルドラージをキャストし殴り勝つランプデッキ。《実物提示教育/Show and Tell》を採用して速度を意識したコンボ寄りの形もある。

◇Burn(3〜4万円)
赤単色で、土地と火力だけで構成されたライフを削ることだけに徹したデッキ。
ライフの回復以外の対策では不十分であり、干渉を受けにくいことが強み。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》はダメ絶対。

◇MUD(約5万円)
《裏切り者の都/City of Traitors》や《古えの墳墓/Ancient Tomb》、《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《金属細工師/Metalworker》といった無色マナ加速から高マナアーティファクトをたたき付けるマナランプデッキ。最近はマナ加速としてPostを採用することも多い。
《虚空の杯 Chalice of the Void》や《三なる宝球/Trinisphere》により相手を妨害しながら一方的に高マナ域のパワーカードをたたき付ける。
特殊地形対策には弱い。

◇Other(Zombardment/WalkingDead)



【Combo】
◇Sneak&Show(約30万円)
《実物提示教育/Show and Tell》と《騙し討ち/Sneak Attack》からファッティを出して勝つデッキで、AVRにて《グリセルブランド/Griselbrand》という最強のクリーチャーを手に入れてからはずっとメタゲームのトップに君臨するようになった。
勝ち手段が明確であり、チェインコンボ等と比較すると駆け引きが少なく、対策の方法もわかりやすいが、安定した速度と《グリセルブランド/Griselbrand》と《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》の強さ故に、デッキの存在が環境にプレッシャーを与え続けている。

◇Omni-Tell(約25万)
主に青単色で組まれる《実物提示教育/Show and Tell》から《全知/Omniscience》を場に出して《無限への突入/Enter the Infinite》を唱えて勝つデッキ。サブプランとして《ドリーム・ホール/Dream Halls》から《無限への突入/Enter the Infinite》をキャストすることもある。
単色で組まれるため、マナディナイアル戦略に非常に強い。また、Sneak&Showに効く《拘留の宝球/Detention Sphere》などによる《実物提示教育/Show and Tell》対策にも《狡猾な願い/Cunning Wish》からの《計略縛り/Trickbind》でかわすことができるため対応力は高い。
ただし、青単色で組まれるため、主にサイド後に投入される《翻弄する魔道士/Meddling Mage》などのヘイトベアーに弱い。また、基本的に3枚コンボであり、安定のために速度を犠牲にしているため、ハンデスから1〜3T目に始動するANTやReanimatorには間に合わず、継続的にハンドを攻めてくる《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》によるロックにも対応ができない。

◇Elves!(15〜20万円)
《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を得て安定した速度を手に入れた生物を使ったコンボデッキ。勝ち手段はエルフを並べてから《自然の秩序/Natural Order》→《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と繋げるか、《垣間見る自然/Glimpse of Nature》から大量にエルフを展開して勝つ。単純に小粒なエルフを展開して殴ったり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》だけで削りきることもある。
生物を使ったコンボデッキであり、展開力は高いが、全体除去と単体除去を組み合わせて盤面を制圧してくるMiraclesのようなデッキには弱い。基本的にエルフによるシナジーを主体にして組まれていて、誘発能力や1ターンに1回しか使えない起動能力などが多数あり、それらを駆使して戦うため、プレイは難しい。
サイド後は対戦相手に合わせて《自然の秩序/Natural Order》から適切なファッティを持ってくることで対応力を高めることができるが、対戦相手の全体除去の枚数も増えるため、注意が必要。

◇ANT(約30万)
BURのStormデッキ。サイドボードの《突然の衰微/Abrupt Decay》ために緑をタッチしている事が多い。
唯一の勝ち手段である《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を致死量のStormと共に安全に唱えるために選ばれた59枚の塊。Stormを溜めながら手札を整えるドロースペル、《触手》に向かう為に欠かせないマナ加速、フィニッシュを補助する《炎の中の過去/Past in Flames》と《むかつき/Ad Nauseam》、それらを呼び込む《冥府の教示者/Infernal Tutor》や《燃え立つ願い/Burning Wish》、必要最低限の土地で構成されている。勝ちまでの手順を状況に応じて柔軟に変えていく必要があり、決め手が手札に無いまま始動することもあるので、使用にはかなりの練習が必要。コンボデッキではあるが、ドロースペルとハンデスが大量に採用されている為、ハンドコントロールデッキの側面も持つ。

◇TES(15〜25万円)
ANTに近いが、勝ち筋や速度に違いがある。《燃え立つ願い/Burning Wish》から《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をサーチし、ゴブリンを撒くという勝ち筋を強く意識しているため、始動がANTより早いく、マナ加速もANTでは《炎の中の過去/Past in Flames》以外で必要とされない赤マナを供給するために《炎の儀式/Rite of Flame》を採用している。赤への依存度が高く、《沈黙/Silence》のために白をタッチすることもあるので、デュアルランド+フェッチランドより《宝石鉱山/Gemstone Mine》などの五色土地が優先される。

◇High Tide(25〜30万円)
レガシーで最も長い1ターンを作る青単色のStormデッキ。デッキ名でもある《High Tide》がキーカードで、《島/Island》を並べてから《High Tide》を使用し、大量のマナから大量のアドバンテージとStormを生み出して勝つ。
プレイングは常に確率の最大化を意識していれば極端に難しいというわけではないが、正確な計算と最低限のデッキ理解は要する。
スタートから決まるまでが長いため、実際に大会で使用するためには、しっかり練習してプレイの速度を上げておきたい。

◇Imperial Painter(約15万円)
赤単色もしくは白をタッチした《血染めの月/Blood Moon》デッキ。《血染めの月/Blood Moon》だけでなく、《月の大魔術士/Magus of the Moon》やそれをサーチする《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》を採用している。マナ加速から1ターン目に着地する"月"はいくつかのデッキ相手にはゲームを終わらせる力がある。
フィニッシュには生物で殴る以外に、《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを採用し、揃った時のキルターンは早い。

◇UR Painter(20〜25万円)
《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを速やかに決めるデッキ。《Transmute Artifact》や《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》といったアーティファクトを利用したシナジーと、《絵描きの召使い/Painter’s Servant》を中心とした色指定のシナジーを組み合わせている。
ライブラリーからのサーチと墓地からの釣り上げを組み合わせたトリッキーな動きもあって面白い。

◇Reanimator、Tin Fins(30〜35万円)
墓地から《グリセルブランド/Griselbrand》などの巨大生物を場に出す、歴史の古いデッキ。
代名詞である《再活性/Reanimate》をはじめとする各種リアニメイトスペルと、好きな生物を墓地に落とすことができる《納墓/Entomb》を組み合わせた高速コンボ。メタに合わせて適切な生物を釣り上げることで柔軟に対応できる。
ただし、サイド後の墓地対策に弱く、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》登場以降はメインでも不利なマッチを強いられることが増えたため、数を減らしている。
他の中速以下のコンボには、ハンデスとカウンターによる妨害を持ち、干渉しにくい墓地利用コンボであることから非常に強い。

◇Dredge(約10万円)
メイン最強と言われる墓地利用デッキ。シナジーを発掘という能力のシナジーを活用したデッキといえるかもしれない。
基本的な動きは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》で手札の発掘持ち生物を墓地置き、さらにライブラリーを墓地に送り込んで墓地を増やし、墓地から直接場に出る生物を利用し、《橋》から大量のトークンを展開し、《戦慄の復活/Dread Return》でフィニッシャーを釣り上げて勝つ。墓地を盤面のように扱うカードの置き方が一般的。
Dredgeの一種で、一切の土地を使用せず、後手を取ることでディスカードを行う、Manaless Dredgeというものもある。発掘をするという点に違いはないが、それに至る動きは全くの別モノ。

◇The Spy/Oops, All Spells!(5〜10万円)
デッキの中から一切の土地を排除し、マナ加速から《欄干のスパイ/Balustrade Spy》を着地させるか、《地底街の密告人/Undercity Informer》の能力を起動し、ライブラリーを全て墓地に落とし、《戦慄の復活/Dread Return》によりコンボを決める、瞬殺コンボデッキ。
非常に1ターンキルの確率が高く、先手では《外科的摘出/Surgical Extraxion》か《Force of Will》以外ではほとんど妨害することができない。
その特性上、青くないあらゆるデッキに強く、青いデッキであっても《Force of Will》を引かれなければ勝てるため、如何に早いターンにコンボを決めることができるか、マリガンとの戦いになる。
基本的な挙動がわかれば、特に練習する必要なく回せるが、普段持ち歩いていても誰も相手をしてくれない。

◇Belcher(10万円)
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を最速で起動するためにあらゆるマナ加速を詰め込んだ瞬殺コンボデッキ。サブプランとして、マナ加速から、場合によっては《燃え立つ願い/Burning Wish》を経由して、《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をキャストするプランを持っている。
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》本体を打ち消そうとすると《巣穴からの総出/Empty the Warrens》が通ってしまい、早めにカウンターすると数ターン後にリスタートされてしまう。
1ターンキル率はThe Spyより低いが、1ターン目にゴブリンが10体以上並んで、実質ゲームが終わることは少なくない。
やはり青くないデッキには強い。

◇Other(Hypergenesis、Aluren、Foodchain、Enchantress)




以上、レガシーのメタゲームにあるデッキをざっくり紹介した。
全てのデッキに通じているわけではないので、多少の間違いはあるかもしれないが、大体こんなものかと。
気になるデッキがあったら是非深く調べてGPに挑むデッキ選択の参考にして欲しい。
今回は真面目にレガシーの布教をしようと思う。
スタンダードより人口が少なく、対戦相手に困ることも多いレガシーに一人でもプレイヤーが増えるように願い、書く。
この日記では初となる誰かに読ませることを意識した記事。色々詰め込んだらかなり長くなってしまった。しかし、少しでも多くの人に読んでもらえると、そしてレガシーを始めてもらえると、嬉しい。
リミテ推進記事と違って、あまりMTG初心者向けではないけどね。

主な対象は、
1.既にリミテ→スタンと経過してそれなりにカード資産のある人(以下資産家)
2.過去にMTG歴のある復帰組(以下復帰組)
3.金はあるが時間のない社会人(以下社会人)



<第一編〜レガシーとは〜>

まずはレガシーとはどういうものなのかを説明したい。

レガシーとは、
「古いカードがローテーションによって使えなくなることがないフォーマット」

簡単にいえば、持ってる全てのカードが使えるってこと(禁止カードを除く)。

「資産家」や「復帰組」なら古い資産や懐かしいカードがいつまでも使えるし、「社会人」なら初期投資さえしてしまえば後はそれ程時間や金を使わずに遊び続けることができる。
カードプールが広いので、相対的に1エキスパンションによる影響が小さく、スタンダードやリミテッドのよりも新しいカードやその情報を集める必要性が薄くなる。

例えば【Merfolks】
一度デッキを組んでしまえば、基本的にはそのデッキをずっと使い続けることができる。【Merfolks】好きならば、お気に入りの【Merfolks】をローテーションによってスタンダードからマーフォークという部族が姿を消しても解体することなく使っていられる。
また、新しいカードも新規に収録されたマーフォークとカウンターのうち必要なものだけシングル買いしておけば良いだろう。
もちろん、勝つためにはあらゆるカードの知識を得て、メタを研究する必要があるが、普通に遊ぶにはこれで十分。
初期投資さえしてしまえばその後はほとんど金を注ぎ込むことなく遊べる。「資産家」や「復帰組」ならば昔使っていたカードを使うことで初期投資すら抑えることができる。

このように、長期的な視点で見れば、三ヶ月毎に全カードプールの10%以上を占める新規参入があり、年に一度は環境に存在するカードの約半数が消えてしまうスタンダードを遊び続けるより効率的なのだと理解してもらえるだろうか。
レガシーは、変化を続けるMTGにおいて、比較的変化が緩慢な環境なのだ。(但、メタゲームの変遷は非常に早い)

また、古いカードに対する知識が無くても問題はない。
確かに、カードプールが広すぎて相手がまったく知らないカードを使ってくることはある。
しかし、それは慣れたレガシープレイヤーでも同じこと。突然《Word of Command》をプレイされて、見たことくらいはあっても、オラクルを言えるプレイヤーは限られるだろう。そのためにジャッジが居るんだし、全てのカードのオラクルを何も見ずに言える人はいないだろう。
もちろん、知識は多い方が楽しいけど、習うより慣れろ!知識の少なさなんか気にせず突っ込んで行こう!

エターナルは敷居が高く、参入しにくいイメージがあるが、決してそうではないことをまずは知ってもらいたい。



<第二編〜レガシーの面白さ〜>

前編でも話したとおり、レガシーでは古いカードを使うことができる。
「復帰組」は既に経験しているかもしれないが、昔使っていたデッキや自分の定番だったカードが今は使えなくなっていたなんてことは珍しくない(むしろその方が多い)。
自分には《暗黒の儀式/Dark Ritual》というカードがそうだった。正確には《暗黒の儀式/Dark Ritual》がスタン・エクテンから消えたのでMTGから遠ざかったのだが・・・。
それが、レガシーでは【ANT】や【Mono Black Control(Pox)】といったデッキで《暗黒の儀式/Dark Ritual》を活かして勝つ事ができるのだ。
他にも、《対抗呪文/Counterspell》や《不毛の大地/Wasteland》といった昔の定番カードもレガシーではまだまだ現役。今(スタンダードなど)は使えない大事なカード達。それをまだまだ使い続けられるんだ。
自分の好きなカードを使って勝つ以上に楽しいMTGライフはない。断言できる。

デッキのバリエーションの多さもレガシーの特徴。
カードプールが広いため、大会に出てみると見たことのないようなデッキが溢れている。自分が知っているカードでも、考えたこともないような使い方をされていたりするのだ。
まだまだ気付かれていないようなコンボやシナジーがあるかもしれないと思うと、自分も!なんて気持ちになる。
自分の庭で展開される物語も悪くないけど、未開の地に踏み込むような大冒険の方が心が躍る。

もちろん、自分もそういったスタンダードなどではできないデッキを使うことができる。
自分は、クリーチャーを出して殴り合うデッキってのが基本的に好きではないんだけど、それはスタンダードをやるには致命的で、スタンダードプレイヤーにはどうやって勝つの?って聞かれそう。
でも、レガシーには【ANT】というデッキが存在して、これはメインに1体も生物がいないけど、コンボで相手のライフを吸い尽くして勝つことができるデッキだ。サイドボード後も、《闇の腹心/Dark Confidant》のようなシステムクリーチャーが僅かに入る程度で、《暗黒の儀式/Dark Ritual》などのマナ加速からのストームという流れは変わらない。
自分の好みにこれ以上に合致したデッキはスタンダードやモダンでは作れない。
他にも、単色(又は特定の色)が好きなら【Burn】や【Pox】、瞬殺コンボが好きなら【Hive Mind】、クリーチャーを展開したければ【Goblins】や【Maverick】など、自分の好みにあったデッキを使うことができる。

レガシーに限らずだけど、マジックは楽しんだら勝ちだからねぇ。


<第三編〜実践〜>

では、実際にレガシーをはじめる為にどうしたら良いか。

最初は当然、メタなんかわからないし、レガシー用のカード資産もないので、誰かにデッキを借りて色んなデッキと戦ってみるのがベスト。
ただ、それは既にMTGをプレイしていて、周りにレガシープレイヤーが沢山いる前提でしか成り立たない。
これからMTGを始める人や、周囲に先行してレガシーを始める場合はとりあえず自分のデッキを持っておく必要がある。

では、どんなデッキを組むべきか・・・

既にスタンダードなどでMTG歴があるような「復帰組」や「資産家」は、SCGやGPのような参加人数の多い大会で上位に入ったデッキから、自分の好きな色やデッキタイプに合致するデッキを調べ、そのコピーを組んでみるのが良い。また、最近のものであれば、過去にスタンダードで使っていたデッキに+α(カウブレ+奇跡のように)しても十分に戦うことができる。
それなりにマジックを知っているなら、好きな(又は慣れた)デッキを使っていくのが一番だろう。

MTG経験の薄い「社会人」ならば、オススメはテンポデッキ。
【RUG Delver】や【Merfolks】、【Team America】のような、生物を展開してから相手をカウンターで妨害し、速やかに殴りきるようなデッキが良い(【Merfolks】をテンポデッキと呼ぶことには異論があるかもしれないが、ここではテンポデッキとしてひとくくりにする)。
こういったデッキは、殴り合いによるライフ計算から相手への妨害まで、能動的な面と受動的な面の双方が要求される。そのため、プレイングは難しいが、プレイするだけでマジックの基礎から応用まで学ぶことができる。
また、相手への妨害を考える中で、自分のプレイだけでなく相手のプレイやデッキに関する知識が蓄積されていくことにもなる。大会などで対戦したり、対戦後に相手と話したりして少し反省点を振り返っていくだけで、自分のデッキのプレイングだけでなく、マジックそのものに対する思考能力を向上させることができる筈だ。
決して簡単に使い熟せるデッキではないので、最初は全く勝てないかもしれないが、確実にマジックが上手くなる。テンポデッキ、金銭的な負担の軽減を考えるのであればデュアルランドを買う必要のない【Merfolk】、の使用を勧めたい。
※とりあえず勝ちたいだけなら【Sneak and Show】など《実物提示教育/Show and Tell》を主体としたコンボデッキを使えば良いが、勝つにしても負けるにしても駆け引きの少ないゲームになり易いのでお勧めはしない。

レガシーを始めるにあたって色々とカードを買わなければならないが、とりあえずは1デッキ分の必要最小限を買おう。
最初にデュアルランド40枚買うところから始める人もいるが、そこまでする必要はない(レガシープレイヤーでも40枚揃っている人は多く無いし)。
デュアルランドを使わない単色デッキは沢山あるし、多色でもデュアルランドを4積みする必要がない場合も少なくない
レガシーをプレイしていれば欲しいカードは後から、それも無限にも思えるくらいに出てくるので、とりあえずは1デッキ分を買ってプレイし、レガシーという環境を知り、他のデッキを使いたくなったら追加で購入すれば良いだろう。
ま、「社会人」の中でも本当に金が余ってるような連中(ブルジョア)ならデュアルランド40枚、フェッチランド40枚からMTG始めたら良いんじゃないかな?黒枠デュアルランドとかシブいよ?いや、むしろヴィンテージやろうか。
もちろん、既所持のスタンダードやモダンのデッキでも禁止カードに気をつければレガシーの大会に出ることができる。
そんなデッキじゃ勝てないと思うかもしれないが、メタ外である故に、気付いたら勝ち進んでいるなんてこともある。
スタンダのデッキでレガシーのお試し、なんてのも悪くない。



<第四編〜大会に参加してみる〜>

構築最大勢力のスタンダードに比べて、プレイヤーも大会も少ないのがレガシー最大の難点(それでも第二勢力だろうが)だ。
リアルだけでなく、MOに手を伸ばしてもDEが立たないという悲しい状況。とりあえずはインターネットなどを駆使して近くの大会を探すしかない。
方法はMTG公式やDiary Noteなど。

一人でもレガシープレイヤーが増えるように、君もレガシーを始めて一緒に布教しよう♪
b(*^∇゚)ステマー



<第五編〜勝つためには〜>

レガシーを始めて、何回か対戦をして少し慣れてきても、最初はなかなか勝てないだろう。
では勝つためにどうしたら良いか・・・。

俺が知りたい!!(オィ

正直、こっから先の内容は考え方によっては違う結論が出る可能性もある。ここに書かれる内容が正しいと思わないでほしい。
書いてるのもただの雑魚プレイヤーだしさ。


Φ第一章Φ
自分のデッキを知ること。

自分のデッキを正しくミス無く回すことができなければ勝てる筈がない。

とりあえず最低限として自分のデッキリストは覚えておきたい。
《Force of Will》を使うなら青いカードの枚数を、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が入ったデッキならばインスタント&ソーサリーの枚数を確認しておきたいし、《闇の腹心/Dark Confidant》や《むかつき/Ad Nauseam》を使うなら点数でみたマナコストの平均も計算しておくべきだろう。

こういった枚数や構成の確認は基本だが、それだけで適切なプレイができるわけではない。

自分のデッキの特性や勝ち手段をしっかり把握しておかなければ当然ミスが生まれる。
【RUG Delver】が何も展開せずに打ち消し呪文を構えていても勝てる筈がないし、【Burn】が1t目から生物を焼きはじめたら相手を焼き切る前に火力が尽きるのは必然だ。
自分のデッキがどうしたら勝てるのか、十分に研究・把握しておこう。


Φ第二章Φ
相手のデッキを知ること。

自分のデッキが理解できたら、環境に存在する他のデッキに関する知識を仕入れよう。
どんなデッキがあって、どんな構成で、どんな勝ち手段を採っているのか。多様なデッキの存在するレガシーで全てのデッキを把握することははかなり大変だが、それがわからなければ、相手のプレイに対して自分がどんな行動をとれば良いかもわからない。
「社会人」にテンポデッキを勧めたのも、テンポデッキが相手のデッキに対する知識が強く求められるデッキだからだ。序盤に生物を展開し、相手の動きを止めながら殴りきる。かといって相手のすべての行動を潰していくことはできないので、相手のキーカードを適切に処理していく必要がある。
どの動きにどう対応すべきか、相手の勝ち筋を考えながらプレイする必要があるため、テンポデッキをプレイするだけで自然と相手の動きに意識が行き、対戦した相手のデッキを良く知ることができる筈だ。

他のデッキを知ることは、、自分のデッキやその動き、サイドプランなどを決めるためにとても重要だ。
【ANT】に墓地対策が効くなんて、《むかつき/Ad Nauseam》を見ても、【ANT】というデッキを知らなければわからないからね。


Φ第三章Φ
対策を立てる。

MTGというゲームは、完成度が非常に高く、どんなに考えても最強のデッキは存在しない。
比較的勝ちやすい【Sneak and Show】も【RUG Delver】が相手では苦しい戦いを強いられるし、勝負はサイド後(メインはほぼ勝ち)と言われる【Dredge】でも【Helm Void】に勝とうなんて無理な話だ。
どんなデッキにも弱点や苦手な相手があり、苦手な相手への対策を欠かせば勝つことはできない。

逆に言えば、サイドボード後に、それらの苦手なデッキに対して強くなる構成を採っておけば、本来勝つことが難しいマッチングにも勝利することができる。
当然、相手にもサイドボードがあり、相手のサイドボードへの対策まで考えていかなければならないので簡単ではない。
しかし、前章までで話したように、自分のデッキと環境を十分に把握して対策したなら、きっと、最善のサイドプランからどんなデッキが相手でもマッチに勝利する蓋然性を高めていくことができるはずだ。


Φ第四章Φ
精神的優位に立つ。

もし自分が自信なく自分の場だけを見ていたら相手の行動を予測することができるだろうか?いや、相手の目や手の動きを見ずには不可能だろう。
むしろ俯き加減で不安そうな相手ならば様子を見ながら誘導して上手く誘い込むこともできるのではないか?
精神的に不利な立場から戦ったとしても、ミスをし、実力を発揮することがなく負けてしまう。「強そう」というイメージがその人を強くすることもあるのだ。
プレイする時は自分の殻に篭るのではなく、目付けは遠山の目付け(相手の顔を見ながらも、一点を凝視するのではなく、遠くの山を見るように相手の全体を視野に入れること)で、自分には対戦相手がいることを意識しよう。


Φ第五章Φ
考える。

常に自分のプレイを考える。
勝とうが負けようが、ゲームの中で人によって意見のわかれるポイントは必ず存在する。
自分としてはより勝利に繋がる蓋然性の高い選択をしていると思っているだろう。しかし、それが本当に勝利への道だったのかは検討しなければならない。
十分な検討なく放置していれば、それが回り道であったとしても、気が付かずに次も同じ道を通ってしまうだろう。

他人のプレイでも良い。
他人のプレイを見るの中で、自分ならこうした、という意見も出てくるだろう。それがプロのプレイでも。
上手いプレイヤーが何故自分と違う選択をしたのか、自分が正しい可能性もあるが、そのプレイヤーがその選択をした意図を十分に理解すれば、自分の選択が間違っていると気付くかもしれない。
そうした時、それが自分のプレイでなくても、自分の経験になるだろう。

また、どんなに自分のデッキを知り、環境を掌握し、それを基に考えたとしても、全てを見通すことができるわけではない。
現実とは想像よりも劇的である。
コトの大小はあれど、必ず想定外の事態が発生すると考えた方が良い。
そんなときにも最善の策を採らなければならない。
冷静かつ客観的な視点から自分がどうすべきかを判断できるように十分な練習を積んでおく必要があるだろう。

ただ、プレイ中に、存在する無数の可能性のすべて検討し、より確率の高い方法を計算しているような時間はない。時には直感が漠然と回答を導き出してくれることもあるかもしれない。
しかし、その回答がより確実なものであるためには、経験もより確実なものでなくてはならない。
自分の間違いに気付かなければ、経験も間違って蓄積されてしまう。
常にプレイについて考え、より適切な経験を積み重ね、正しい答えを導く勘を身につけていこう。


Φ第六章Φ
仲間をつくる。

一人でマジックをやっていても強くなるには限界がある。1人と10人では考えられる範囲もレベルも違う。細かい部分(思考の重複など)を無視した単純な計算だが、IQ200の天才でも2人分の頭脳しかないわけで、1人が10人に敵うわけがない。ましてやレガシープレイヤーなんか何万人もいるのだから、自分が考えていなかったコトをしてくる人がいない方がおかしい。
コンボデッキなら大丈夫なんて言う人もいるだろう。確かに、コンボデッキなら自分のプレイの大半が相手の行動と関係のない自分にとって最善の選択肢を採るプレイだろう。しかし、ゲームの勝敗は残りの一部の選択によって決すると言っていい。
例えば【ANT】の場合、コンボを決めるには十分な量のマナ加速とAdさえあれば良い。しかし、実際に勝つ為には、相手のハンドを覗きながら、それができなければ相手の動きを見ながら、いつコンボをスタートするか考えなければならない。【RUG Delver】が相手なら、カウンターという危険がいくつあり、自分の残ライフを数えながらコンボが通るタイミングを見極めていく必要がある。【MUD】が相手なら《虚空の杯/Chalice of the Void》などの致命的な妨害手段が場に出てしまう前に速やかにゲームを決めなければならない。
そういった知識や経験も、自分一人では手に入らない。
ともに練習し、意見し合う仲間がいて、やっと一人前のMTGプレイヤーだ。


Φ第七章Φ
マジックを楽しむ。

楽しくなけりゃMTGなんか辞めてしまえ。
自分のカードやデッキを大事にし、勝負を楽しんでこそマジックだ。マジックが好きならば、マジックを楽しむ中で自ら研究し、練習し、強くなっていく。
「好きこそものの上手なれ」
楽しむことが強くなるための一番の近道だ!!



《第六編〜おわりに〜》

ここまで書いた内容はレガシー全体の大まかな話。ここからより具体的な個別の考察をしていくことになる。
自分自身、これからも研究を続け、精進したい。

ま、楽しけりゃそれで良ぇら。

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