実際にレガシーのデッキを組むためにどうすべきか、注意点等について個人的な見解を羅列していく。



【目標とするデッキを決める】
絶対に妥協してはいけない。
レガシーのデッキは高い。スタンダードのデッキとは比較にならないような値段のものもあるので、後悔しないようにデッキ選択では絶対に妥協しないこと。
手持ちが15万円で、一番使いたいデッキを組むのに20万円かかるが、二番目に使いたいデッキが15万円で組めたとしても、諦めて二番目に使いたいデッキを組んではいけない。
もし、二番目に組みたいデッキ等で妥協した後で、やっぱり一番使いたいデッキが良かったと少しでも思ってしまったら、それは15万円の損。ならば、最初から追加の5万円を捻出し、一番使いたいデッキを組もう。
前回の記事でデッキの紹介をしたのはこのため。後悔してほしくないので、一番使いたいデッキを決めてからカードを買ってほしい。
周りにレガシーをやっている人がいるなら、実際にデッキを借りるなどして、レガシーを体験してみるのも良い。75枚プロキシで対戦してみるのも良い。
レガシーはローテーションが無いので一度デッキを組んだらほとんど崩さずに使い続けることができるので、強い弱いに捕われず、自分の好きなデッキでレガシーを楽しもう。



【カードを買う】
カードは必ず専門店で買うこと。
モダンやスタンダード以上に、レガシーのカードを個人間の取り引きで手に入れるのにはリスクがある。
最近話題になる贋物の危険もあるが、レガシーには古いカードも多いので状態によるトラブルが少なくない。
店で買うよりは直接個人間で取り引きした方が見た目上は安くはなるものの、贋物や粗悪品のリスクを金額に加算して考えると総合的には店で買った方が安い。
スタンダードでもオークション使ってるからといってレガシーでも同じ様に・・・と甘くみていてはダメ。カードの金額が高くなるほどリスクも大きくなるので、必ずカードは専門店で買おう。

また、カードを買うにあたって、なるべく汎用性の高いものから手を付けていくと良い。
各種フェッチランドや、青いデッキであれば《Force of Will》のような、汎用性の高いカードを優先して買うことで、万が一、違うデッキを組むことになった時でも流用できるのでリスクを抑えることができます。Jundを組むから《Chains of Mephistopheles》から買うようなことはせず、足回り(土地)から揃えましょう。



【節約術】
使いたいデッキはあるけど、どうやってもカードを揃える資金が足りない!そんな時に使える貧乏デッキという選択。
それは、諦めて使うデッキそのものを変えるのではなく、少し安い代用品でデッキを組むという奥の手。
例をいくつか紹介する。

1.土地を置き換える
Miraclesなどの中速以下のデッキを組む場合、土地にはある程度の余裕を持つことができる。
例えば、Miracleで通常三枚採用されている《Tundra》を1枚《氷河の城砦/Gracial Fortress》に変えてみたとして、デッキの挙動にはあまり影響が無いが、予算は万単位で削減することができる。
また、BUG Delverの《Underground Sea》を1枚《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》に変えた場合、序盤の挙動が多少犠牲にはなるが、土地によるクロックという新たな強みを手にすることにもなる。
土地は、各種デュアルランドを中心に、デッキの核となるため非常に高額になっている。しかし、多少の変更や代用はきくので、積極的に活用してほしい。

2.他の代用品も検討してみる
土地意外にも代用可能なカードは沢山ある。
例えば《Force of Will》というカード。
これはBelcherやThe Spyのような超速コンボには欠かせないカウンターではあるが、通常は1-2交換をしなければならない激ヨワカードである。
青いデッキであっても、Jundの様に早すぎるデッキを諦め、《Force of Will》を採用せず《思考囲い/Thoughtseize》等のハンデスを大量に積んでおくことも可能だ。
確かにコンボデッキには弱くなるが、青いカードの枚数を気にする必要が減ってデッキのパワーをあげることができるため、非コンボデッキには強くなる。
他にも、Delver系デッキで《不毛の大地/Wasteland》を採用せずにその枠をより有効なスペル(火力やカウンター等)に置き換えてみたり、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を減らし《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を採用して対PWへの耐性を高めたり、カードプールが広い分だけ工夫はいくらでもできる。
色々な代用品、いや、元々のカード以上の可能性を見つけてみてほしい。

3.色を減らす
予算がかなり苦しい時、多少の妥協をしなくてはならないこともある。
だが、全く新しい妥協点に向かう前に一つ検討してみてもらいたい。それが、色を減らす選択。
例えば、RUG Delverのようなテンポデッキを組みたかったとして、予算が足りない場合に緑を減らしてUR Delverにすると、RUG Delverのようなテンポデッキを楽しむことができるが、必要な予算には10万円以上の差が出る。
BUW Bladeでも、基本となる石鍛冶パッケージを残し、ハンデスの部分をカウンターでカバーすることで青と白の二色にまとめるだけで、これも10万円くらいの出費を減らすことができる。
これらの変更は、レガシーの中でも明確に高い、デュアルランド(RUG Delverの場合はタルモゴイフも)の使用枚数を減らすことが主目的である。
しかし、ここでも上手く構築することで元のデッキより弱くなるのではなく、《思考囲い/Thoughtseize》と《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》や、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《若き紅蓮術師/Young Pyromancer》のように、タイプの違うカードを採用することで違う強みを持ったデッキにすることが可能なので、是非様々な可能性を模索してもらいたい。



【妥協の極み】
そんなん言われても全然金無いよ!って人はBurn組みましょ。
理由は安いから。そして、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》を手にしたことで苦手としていたコンボ、特にチェインコンボに対して劇的に強くなったから。
「自称ANT使い」からしたら絶対にやめてほしいけど、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》のおかげでその他のマッチでもBurnのポテンシャルは飛躍的に上昇している。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》には《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が強く、《発展の対価/Price of Progress》が劇的に刺さるため、トップメタであるDelver系ともしっかり戦うことができる。
《実物提示教育/Show and Tell》デッキはツラいが、《赤霊破/Red Elemental Blast》や《紅蓮破/Pyroblast》で対抗することもできるし、専用に《灰燼の乗り手Ashen Rider》をサイドボードに採用しても良い。
火力の計算など、いきなり使って適切に扱えるデッキではないが、一つの選択肢として検討すると同時に、コストパフォーマンスは非常に良いのでどうしても金が無い人はBurnを組むと良いと思う。



【オススメ】
GPの為だけにレガシーやるのに金はあるけど良くわからんからオススメを教えてくれ!って方のために。

1.BUG Cascade、Jund
続唱システムが雑に強い。どちらも早いコンボは苦手だが、それはそもそもMidrangeの宿命。
特にJundはデッキ全体のパワーが高く、プレイングもそこまで難しくないため、オススメ。

2.Patriot
ライフを詰める戦略と《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《目くらまし/Daze》+《不毛の大地/Wasteland》と装備品等ディスシナジーの塊。
しかし、シナジーを無視しても強いカードが詰め込まれているため、RUG Delver程はプレイングも難しくなく、初心者向け。

3.Sneak&Show
チェイン系のコンボと違い必要な手順がシンプルで扱い易い。
常にコンボの最上位にいるため対策をされがちだが、それでも《実物提示教育/Show and Tell》を通すだけで勝ちとなるマッチは少なくない。

レガシーはカードプールが広く、一般的に使用されるカードでもスタンダードより遥かに多い種類のカードがある。
最初は誰でもわからないことだらけなので、受けるデッキや繊細なデッキではなく太く攻めるデッキを使いながらレガシーに慣れた方が良いと思う。
但、GP後も継続してレガシーを続けるなら、やっぱり先にレガシーに触れてから好きなデッキを選択して欲しいかな。





次回何を書くかネタ募集(枯渇中)

コメント

ポップ
2014年8月30日2:09

いや分かりやすい文ですよ!
毎度楽しみにしてます。

しょ〜た(ん)
2014年8月30日9:51

>ポップさん
ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

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