国内初レガシーGPに向けて No.1
2014年8月10日 レガシー布教記事 コメント (13)来期に国内レガシーGPが開催されることになり、レガシーを始めなくてはならないという状況に追い込まれた人が沢山いるのではないだろうか。
当然他のフォーマットのサイドイベントは開催される筈だが、年間3〜4回しかない国内GPの本戦が、レガシーという比較的マイナーなフォーマットに奪われたのだから、歓喜する俺らレガシー好きとは逆に困惑する人も少なくないだろう。
以前書いた「レガシーのすすめ」を書き直そうかと思ったがもうそんな時期でもないようなので、GPに向けてレガシーを始めるには具体的にどうしたら良いか、レガシー中毒者が可能な限りスタン・モダンプレイヤー視点で語りたい。
今回から、数回に分けて解説していきたいと思う。
第一回はデッキの紹介をしていく。
デッキは、Control、Midrange、Beatdown、Tempo、Comboに分類している。しかし、これだけでは分類できないようなデッキも無理矢理詰め込んでいるので要注意。
また、デッキの価格は概算なので参考程度に見てほしい。
【Control】
◇UW(r)Miracles(30〜35万円)
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を中心に組まれた青白のヘビーコントロールで、《赤霊破/Red Elemental Blast》や《紅蓮破/Pyroblast》の為に赤をタッチするのが主流。
除去に《終末/Terminus》と《剣を鍬に/Sword to Plowshares》を採用しているため、生物を展開して殴るデッキ全般に強い。フィニッシャーを《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と《天使への願い/Entreat the Angels》に頼っているため、勝つまでが遅く、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》と合わせて採用されている《相殺/Counterbalance》の効きにくいコンボや、生物以外の攻め手(特にPW)に弱い。
◇Nic Fit(25〜35万円)
レガシー全体のマナ域が低い事を利用し、《老練の探険者/Veteran Explorer》のデメリットを軽減し、一方的にパワーの高いカードをたたき付けることを目的としたランプデッキ。
固定パーツが少なく、自由度の高い、構築が最も楽しいデッキの一つ。Jund型が多いが、殻を採用してBUGにしたり、BGWにしてコンボを組み込んでみたり、生物を中心に据えていれば好きな事ができる。
◇Lands(25〜35万)
デッキの大半が土地だけで構成されたヘビーコントロール。
《The Tabernacle at Pendrell Vale》や《Maze of Ith》、《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のコンボ、《虚空の杯/Chalice of the Void》などでゲームを制圧し、各種サイクリングランドと《穣土からの生命/Life from the Loam》によりアドバンテージを得て、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》や《演劇の舞台/Thespian’s Stage》+《暗黒の深部/Dark Depths》によりゆっくり勝つ。
勝つまでが非常に遅く、引き分けになり易い。
◇Tezzeret Control(30〜35万円)
UBの、アーティファクトを利用したPWコントロールデッキ。《悪意の大梟/Baleful Strix》や、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》と《弱者の剣/Sword of the Meek》のコンボを採用しているため、テンポデッキやコントロールデッキには強い。コンボデッキに勝てるかどうかは《虚空の杯/Chalice of the Void》の働き次第。
◇OtherPox、Supreme Blue、Land Still(BUG、UWx)、
【Midrange】
◇BUG Cascade(約50万円)
レガシー界最高クラスの札束デッキ。高額カードが詰め込んである。
《断片なき工作員/Shardless Agent》を中心に組まれたデッキで、続唱からの《祖先の幻視/Ancestral Vision》や《Hymn to Tourach》でアドバンテージを得ながら、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で勝つ。
柔軟性は高いが、続唱というシステム故に1マナ以下の挙動が減らされていて、生物が横に並ぶデッキには除去が間に合わなかったり、コンボにもクロックが間に合わなかったりと、手数で負けてしまう事が多い。
◇BUW Blade(35〜40万)
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と《殴打頭蓋/Batterskull》等の装備品を主軸に組まれたコントロール気味の中速デッキ。ハンデスやカウンター、PWを採用して制圧力を高めている。
確定枠が少なく、生物枠が《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《未練ある魂/Lingering Souls》など複数の選択肢があり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を採用して緑を加えたDeathbladeという形もある。
◇Jund(40〜45万)
BGRのグッドスタッフ。デッキのどこを切っても強い。除去が多く、細かくアドバンテージを得ていくため、Blade系デッキなど中速以下のコントロールやビートダウンに対して圧倒的な強さを誇る。
《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のエンジンや《闇の腹心/Dark Confidant》が機能すると止まらない。
《思考囲い/Thoughtseize》や《闇の腹心/Dark Confidant》によりライフを払って攻めるためBurnに、妨害がハンデスに因るため瞬殺コンボに、色拘束がキツいことから《血染めの月/Blood Moon》などの特殊地形対策に弱い。
◇Deadguy Ale(20〜25万円)
《闇の腹心/Dark Confidant》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》のアドバンテージを得られる強力な2マナの生物をたたき付けるグッドスタッフ気味のデッキ。最近は《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《突然の衰微/Abrupt Decay》のために緑タッチすることが多く、Maverickとの境界があいまいになっている。2ターン目に《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を着地させられるなど《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の恩恵はかなり大きい。
【Beatdown】
◇Death&Taxes(10〜15万円)
現環境で最も活躍しているビートダウン。白単色のウィニーで、圧倒的な展開力やサイズで勝つのではなく、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》などのここ数年で刷られた優秀過ぎるおまけの付いた生物で制圧しながらチマチマ殴り勝つ。
《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《不毛の大地/Wasteland》&《リシャーダの港/Rishadan Port》によるロックや、《Karakas》と《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》など、シナジーが豊富。
◇Goblins(約10万円)
デッキのほとんどが土地とゴブリンで占められた部族シナジーの塊。《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》と《霊気の薬瓶/AEther Vial》から、《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》や《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》などのゴブリン群を高速展開し、《不毛の大地/Wasteland》や《リシャーダの港/Rishadan Port》により相手をロックして殴りきる。その圧倒的な展開力とデッキとハンドをぐるぐる回す動きはまるでコンボ。
ゴブリンシナジーにより圧倒的なアドバンテージを得るため、単発除去だけでは除去しきず、中速以下のデッキ全般に強い。
◇Merfolk(約10万円)
ほぼ青単色で組まれる、マーフォークのロードを大量に採用したデッキ。
12〜16枚のロードと《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《呪い捕らえ/Cursecatcher》、最近追加された《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を詰め込み、《Force of Will》のバックアップを得て、《霊気の薬瓶/AEther Vial》による高速展開から、4〜5ターンで殴りきるテンポ寄りのビートダウン。
JundやMiracleといった除去コンと、ロードの島渡りが効かずサイズでも勝てない緑系ビートダウンに弱い。
◇OtherAffinity、Maverick、Bant Aggro、Zoo
【Tempo】
◇RUG Delver/Canadian Threshold(40〜45万)
以前はレガシー界の王者であり、環境を定義するデッキであった。
最近はBUG系デッキの台頭や、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》といった苦手なカードが刷られたことによりかなり数を減らしている。
それでも《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》からの《もみ消し/Stifle》や《不毛の大地/Wasteland》、《目くらまし/Daze》による流れるような攻めを止める手段は少なく、現在でも安定して勝ち続けるデッキである。
◇BUG Delver/Team America(45〜50万)
古くから存在するBUGのテンポデッキ。RUGが衰退すると再びトップメタに踊り出た。《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《突然の衰微/Abrupt Decay》の対応力の高さ、《Hymn to Tourach》によるアドバンテージをテンポに変えて殴り勝つ。
カウンターと《Hymn to Tourach》にバックアップを受けた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》がコンボデッキに、《突然の衰微/Abrupt Decay》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》などがテンポデッキに強い。
◇Patriot(35〜40万)
早いクロックである《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と、ゆっくり盤面を作る《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が無理矢理共存するディスシナジーデッキ。方向性が定まらないが、採用されているカードが単体で強いため、安定した成績を残す。
◇UR Delver/Counter Burn(15〜25万円)
RUG Delverの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に置き換えた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》系のテンポデッキ。
ライフを狙うことに徹し《Chain Lightning》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を全力で採用したものから、RUG Delverの単緑が抜けただけの様な形のものまで、多様である。
◇Other(4color Delver、Grixis Delver、Stiflenought)
【Synergy】
◇Post(約10万円)
《雲上の座/Cloudpost》を《ヴェズーヴァ/Vesuva》などで増殖し、マナを伸ばしてエルドラージをキャストし殴り勝つランプデッキ。《実物提示教育/Show and Tell》を採用して速度を意識したコンボ寄りの形もある。
◇Burn(3〜4万円)
赤単色で、土地と火力だけで構成されたライフを削ることだけに徹したデッキ。
ライフの回復以外の対策では不十分であり、干渉を受けにくいことが強み。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》はダメ絶対。
◇MUD(約5万円)
《裏切り者の都/City of Traitors》や《古えの墳墓/Ancient Tomb》、《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《金属細工師/Metalworker》といった無色マナ加速から高マナアーティファクトをたたき付けるマナランプデッキ。最近はマナ加速としてPostを採用することも多い。
《虚空の杯 Chalice of the Void》や《三なる宝球/Trinisphere》により相手を妨害しながら一方的に高マナ域のパワーカードをたたき付ける。
特殊地形対策には弱い。
◇Other(Zombardment/WalkingDead)
【Combo】
◇Sneak&Show(約30万円)
《実物提示教育/Show and Tell》と《騙し討ち/Sneak Attack》からファッティを出して勝つデッキで、AVRにて《グリセルブランド/Griselbrand》という最強のクリーチャーを手に入れてからはずっとメタゲームのトップに君臨するようになった。
勝ち手段が明確であり、チェインコンボ等と比較すると駆け引きが少なく、対策の方法もわかりやすいが、安定した速度と《グリセルブランド/Griselbrand》と《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》の強さ故に、デッキの存在が環境にプレッシャーを与え続けている。
◇Omni-Tell(約25万)
主に青単色で組まれる《実物提示教育/Show and Tell》から《全知/Omniscience》を場に出して《無限への突入/Enter the Infinite》を唱えて勝つデッキ。サブプランとして《ドリーム・ホール/Dream Halls》から《無限への突入/Enter the Infinite》をキャストすることもある。
単色で組まれるため、マナディナイアル戦略に非常に強い。また、Sneak&Showに効く《拘留の宝球/Detention Sphere》などによる《実物提示教育/Show and Tell》対策にも《狡猾な願い/Cunning Wish》からの《計略縛り/Trickbind》でかわすことができるため対応力は高い。
ただし、青単色で組まれるため、主にサイド後に投入される《翻弄する魔道士/Meddling Mage》などのヘイトベアーに弱い。また、基本的に3枚コンボであり、安定のために速度を犠牲にしているため、ハンデスから1〜3T目に始動するANTやReanimatorには間に合わず、継続的にハンドを攻めてくる《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》によるロックにも対応ができない。
◇Elves!(15〜20万円)
《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を得て安定した速度を手に入れた生物を使ったコンボデッキ。勝ち手段はエルフを並べてから《自然の秩序/Natural Order》→《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と繋げるか、《垣間見る自然/Glimpse of Nature》から大量にエルフを展開して勝つ。単純に小粒なエルフを展開して殴ったり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》だけで削りきることもある。
生物を使ったコンボデッキであり、展開力は高いが、全体除去と単体除去を組み合わせて盤面を制圧してくるMiraclesのようなデッキには弱い。基本的にエルフによるシナジーを主体にして組まれていて、誘発能力や1ターンに1回しか使えない起動能力などが多数あり、それらを駆使して戦うため、プレイは難しい。
サイド後は対戦相手に合わせて《自然の秩序/Natural Order》から適切なファッティを持ってくることで対応力を高めることができるが、対戦相手の全体除去の枚数も増えるため、注意が必要。
◇ANT(約30万)
BURのStormデッキ。サイドボードの《突然の衰微/Abrupt Decay》ために緑をタッチしている事が多い。
唯一の勝ち手段である《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を致死量のStormと共に安全に唱えるために選ばれた59枚の塊。Stormを溜めながら手札を整えるドロースペル、《触手》に向かう為に欠かせないマナ加速、フィニッシュを補助する《炎の中の過去/Past in Flames》と《むかつき/Ad Nauseam》、それらを呼び込む《冥府の教示者/Infernal Tutor》や《燃え立つ願い/Burning Wish》、必要最低限の土地で構成されている。勝ちまでの手順を状況に応じて柔軟に変えていく必要があり、決め手が手札に無いまま始動することもあるので、使用にはかなりの練習が必要。コンボデッキではあるが、ドロースペルとハンデスが大量に採用されている為、ハンドコントロールデッキの側面も持つ。
◇TES(15〜25万円)
ANTに近いが、勝ち筋や速度に違いがある。《燃え立つ願い/Burning Wish》から《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をサーチし、ゴブリンを撒くという勝ち筋を強く意識しているため、始動がANTより早いく、マナ加速もANTでは《炎の中の過去/Past in Flames》以外で必要とされない赤マナを供給するために《炎の儀式/Rite of Flame》を採用している。赤への依存度が高く、《沈黙/Silence》のために白をタッチすることもあるので、デュアルランド+フェッチランドより《宝石鉱山/Gemstone Mine》などの五色土地が優先される。
◇High Tide(25〜30万円)
レガシーで最も長い1ターンを作る青単色のStormデッキ。デッキ名でもある《High Tide》がキーカードで、《島/Island》を並べてから《High Tide》を使用し、大量のマナから大量のアドバンテージとStormを生み出して勝つ。
プレイングは常に確率の最大化を意識していれば極端に難しいというわけではないが、正確な計算と最低限のデッキ理解は要する。
スタートから決まるまでが長いため、実際に大会で使用するためには、しっかり練習してプレイの速度を上げておきたい。
◇Imperial Painter(約15万円)
赤単色もしくは白をタッチした《血染めの月/Blood Moon》デッキ。《血染めの月/Blood Moon》だけでなく、《月の大魔術士/Magus of the Moon》やそれをサーチする《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》を採用している。マナ加速から1ターン目に着地する"月"はいくつかのデッキ相手にはゲームを終わらせる力がある。
フィニッシュには生物で殴る以外に、《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを採用し、揃った時のキルターンは早い。
◇UR Painter(20〜25万円)
《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを速やかに決めるデッキ。《Transmute Artifact》や《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》といったアーティファクトを利用したシナジーと、《絵描きの召使い/Painter’s Servant》を中心とした色指定のシナジーを組み合わせている。
ライブラリーからのサーチと墓地からの釣り上げを組み合わせたトリッキーな動きもあって面白い。
◇Reanimator、Tin Fins(30〜35万円)
墓地から《グリセルブランド/Griselbrand》などの巨大生物を場に出す、歴史の古いデッキ。
代名詞である《再活性/Reanimate》をはじめとする各種リアニメイトスペルと、好きな生物を墓地に落とすことができる《納墓/Entomb》を組み合わせた高速コンボ。メタに合わせて適切な生物を釣り上げることで柔軟に対応できる。
ただし、サイド後の墓地対策に弱く、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》登場以降はメインでも不利なマッチを強いられることが増えたため、数を減らしている。
他の中速以下のコンボには、ハンデスとカウンターによる妨害を持ち、干渉しにくい墓地利用コンボであることから非常に強い。
◇Dredge(約10万円)
メイン最強と言われる墓地利用デッキ。シナジーを発掘という能力のシナジーを活用したデッキといえるかもしれない。
基本的な動きは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》で手札の発掘持ち生物を墓地置き、さらにライブラリーを墓地に送り込んで墓地を増やし、墓地から直接場に出る生物を利用し、《橋》から大量のトークンを展開し、《戦慄の復活/Dread Return》でフィニッシャーを釣り上げて勝つ。墓地を盤面のように扱うカードの置き方が一般的。
Dredgeの一種で、一切の土地を使用せず、後手を取ることでディスカードを行う、Manaless Dredgeというものもある。発掘をするという点に違いはないが、それに至る動きは全くの別モノ。
◇The Spy/Oops, All Spells!(5〜10万円)
デッキの中から一切の土地を排除し、マナ加速から《欄干のスパイ/Balustrade Spy》を着地させるか、《地底街の密告人/Undercity Informer》の能力を起動し、ライブラリーを全て墓地に落とし、《戦慄の復活/Dread Return》によりコンボを決める、瞬殺コンボデッキ。
非常に1ターンキルの確率が高く、先手では《外科的摘出/Surgical Extraxion》か《Force of Will》以外ではほとんど妨害することができない。
その特性上、青くないあらゆるデッキに強く、青いデッキであっても《Force of Will》を引かれなければ勝てるため、如何に早いターンにコンボを決めることができるか、マリガンとの戦いになる。
基本的な挙動がわかれば、特に練習する必要なく回せるが、普段持ち歩いていても誰も相手をしてくれない。
◇Belcher(10万円)
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を最速で起動するためにあらゆるマナ加速を詰め込んだ瞬殺コンボデッキ。サブプランとして、マナ加速から、場合によっては《燃え立つ願い/Burning Wish》を経由して、《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をキャストするプランを持っている。
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》本体を打ち消そうとすると《巣穴からの総出/Empty the Warrens》が通ってしまい、早めにカウンターすると数ターン後にリスタートされてしまう。
1ターンキル率はThe Spyより低いが、1ターン目にゴブリンが10体以上並んで、実質ゲームが終わることは少なくない。
やはり青くないデッキには強い。
◇Other(Hypergenesis、Aluren、Foodchain、Enchantress)
以上、レガシーのメタゲームにあるデッキをざっくり紹介した。
全てのデッキに通じているわけではないので、多少の間違いはあるかもしれないが、大体こんなものかと。
気になるデッキがあったら是非深く調べてGPに挑むデッキ選択の参考にして欲しい。
当然他のフォーマットのサイドイベントは開催される筈だが、年間3〜4回しかない国内GPの本戦が、レガシーという比較的マイナーなフォーマットに奪われたのだから、歓喜する俺らレガシー好きとは逆に困惑する人も少なくないだろう。
以前書いた「レガシーのすすめ」を書き直そうかと思ったがもうそんな時期でもないようなので、GPに向けてレガシーを始めるには具体的にどうしたら良いか、レガシー中毒者が可能な限りスタン・モダンプレイヤー視点で語りたい。
今回から、数回に分けて解説していきたいと思う。
第一回はデッキの紹介をしていく。
デッキは、Control、Midrange、Beatdown、Tempo、Comboに分類している。しかし、これだけでは分類できないようなデッキも無理矢理詰め込んでいるので要注意。
また、デッキの価格は概算なので参考程度に見てほしい。
【Control】
◇UW(r)Miracles(30〜35万円)
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を中心に組まれた青白のヘビーコントロールで、《赤霊破/Red Elemental Blast》や《紅蓮破/Pyroblast》の為に赤をタッチするのが主流。
除去に《終末/Terminus》と《剣を鍬に/Sword to Plowshares》を採用しているため、生物を展開して殴るデッキ全般に強い。フィニッシャーを《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と《天使への願い/Entreat the Angels》に頼っているため、勝つまでが遅く、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》と合わせて採用されている《相殺/Counterbalance》の効きにくいコンボや、生物以外の攻め手(特にPW)に弱い。
◇Nic Fit(25〜35万円)
レガシー全体のマナ域が低い事を利用し、《老練の探険者/Veteran Explorer》のデメリットを軽減し、一方的にパワーの高いカードをたたき付けることを目的としたランプデッキ。
固定パーツが少なく、自由度の高い、構築が最も楽しいデッキの一つ。Jund型が多いが、殻を採用してBUGにしたり、BGWにしてコンボを組み込んでみたり、生物を中心に据えていれば好きな事ができる。
◇Lands(25〜35万)
デッキの大半が土地だけで構成されたヘビーコントロール。
《The Tabernacle at Pendrell Vale》や《Maze of Ith》、《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のコンボ、《虚空の杯/Chalice of the Void》などでゲームを制圧し、各種サイクリングランドと《穣土からの生命/Life from the Loam》によりアドバンテージを得て、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》や《演劇の舞台/Thespian’s Stage》+《暗黒の深部/Dark Depths》によりゆっくり勝つ。
勝つまでが非常に遅く、引き分けになり易い。
◇Tezzeret Control(30〜35万円)
UBの、アーティファクトを利用したPWコントロールデッキ。《悪意の大梟/Baleful Strix》や、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》と《弱者の剣/Sword of the Meek》のコンボを採用しているため、テンポデッキやコントロールデッキには強い。コンボデッキに勝てるかどうかは《虚空の杯/Chalice of the Void》の働き次第。
◇OtherPox、Supreme Blue、Land Still(BUG、UWx)、
【Midrange】
◇BUG Cascade(約50万円)
レガシー界最高クラスの札束デッキ。高額カードが詰め込んである。
《断片なき工作員/Shardless Agent》を中心に組まれたデッキで、続唱からの《祖先の幻視/Ancestral Vision》や《Hymn to Tourach》でアドバンテージを得ながら、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で勝つ。
柔軟性は高いが、続唱というシステム故に1マナ以下の挙動が減らされていて、生物が横に並ぶデッキには除去が間に合わなかったり、コンボにもクロックが間に合わなかったりと、手数で負けてしまう事が多い。
◇BUW Blade(35〜40万)
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と《殴打頭蓋/Batterskull》等の装備品を主軸に組まれたコントロール気味の中速デッキ。ハンデスやカウンター、PWを採用して制圧力を高めている。
確定枠が少なく、生物枠が《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《未練ある魂/Lingering Souls》など複数の選択肢があり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を採用して緑を加えたDeathbladeという形もある。
◇Jund(40〜45万)
BGRのグッドスタッフ。デッキのどこを切っても強い。除去が多く、細かくアドバンテージを得ていくため、Blade系デッキなど中速以下のコントロールやビートダウンに対して圧倒的な強さを誇る。
《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち/Grove of Burnwillows》のエンジンや《闇の腹心/Dark Confidant》が機能すると止まらない。
《思考囲い/Thoughtseize》や《闇の腹心/Dark Confidant》によりライフを払って攻めるためBurnに、妨害がハンデスに因るため瞬殺コンボに、色拘束がキツいことから《血染めの月/Blood Moon》などの特殊地形対策に弱い。
◇Deadguy Ale(20〜25万円)
《闇の腹心/Dark Confidant》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》のアドバンテージを得られる強力な2マナの生物をたたき付けるグッドスタッフ気味のデッキ。最近は《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《突然の衰微/Abrupt Decay》のために緑タッチすることが多く、Maverickとの境界があいまいになっている。2ターン目に《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を着地させられるなど《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の恩恵はかなり大きい。
【Beatdown】
◇Death&Taxes(10〜15万円)
現環境で最も活躍しているビートダウン。白単色のウィニーで、圧倒的な展開力やサイズで勝つのではなく、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》などのここ数年で刷られた優秀過ぎるおまけの付いた生物で制圧しながらチマチマ殴り勝つ。
《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《不毛の大地/Wasteland》&《リシャーダの港/Rishadan Port》によるロックや、《Karakas》と《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》など、シナジーが豊富。
◇Goblins(約10万円)
デッキのほとんどが土地とゴブリンで占められた部族シナジーの塊。《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》と《霊気の薬瓶/AEther Vial》から、《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》や《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》などのゴブリン群を高速展開し、《不毛の大地/Wasteland》や《リシャーダの港/Rishadan Port》により相手をロックして殴りきる。その圧倒的な展開力とデッキとハンドをぐるぐる回す動きはまるでコンボ。
ゴブリンシナジーにより圧倒的なアドバンテージを得るため、単発除去だけでは除去しきず、中速以下のデッキ全般に強い。
◇Merfolk(約10万円)
ほぼ青単色で組まれる、マーフォークのロードを大量に採用したデッキ。
12〜16枚のロードと《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《呪い捕らえ/Cursecatcher》、最近追加された《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を詰め込み、《Force of Will》のバックアップを得て、《霊気の薬瓶/AEther Vial》による高速展開から、4〜5ターンで殴りきるテンポ寄りのビートダウン。
JundやMiracleといった除去コンと、ロードの島渡りが効かずサイズでも勝てない緑系ビートダウンに弱い。
◇OtherAffinity、Maverick、Bant Aggro、Zoo
【Tempo】
◇RUG Delver/Canadian Threshold(40〜45万)
以前はレガシー界の王者であり、環境を定義するデッキであった。
最近はBUG系デッキの台頭や、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》といった苦手なカードが刷られたことによりかなり数を減らしている。
それでも《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》からの《もみ消し/Stifle》や《不毛の大地/Wasteland》、《目くらまし/Daze》による流れるような攻めを止める手段は少なく、現在でも安定して勝ち続けるデッキである。
◇BUG Delver/Team America(45〜50万)
古くから存在するBUGのテンポデッキ。RUGが衰退すると再びトップメタに踊り出た。《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《突然の衰微/Abrupt Decay》の対応力の高さ、《Hymn to Tourach》によるアドバンテージをテンポに変えて殴り勝つ。
カウンターと《Hymn to Tourach》にバックアップを受けた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》がコンボデッキに、《突然の衰微/Abrupt Decay》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》などがテンポデッキに強い。
◇Patriot(35〜40万)
早いクロックである《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と、ゆっくり盤面を作る《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が無理矢理共存するディスシナジーデッキ。方向性が定まらないが、採用されているカードが単体で強いため、安定した成績を残す。
◇UR Delver/Counter Burn(15〜25万円)
RUG Delverの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に置き換えた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》系のテンポデッキ。
ライフを狙うことに徹し《Chain Lightning》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を全力で採用したものから、RUG Delverの単緑が抜けただけの様な形のものまで、多様である。
◇Other(4color Delver、Grixis Delver、Stiflenought)
【Synergy】
◇Post(約10万円)
《雲上の座/Cloudpost》を《ヴェズーヴァ/Vesuva》などで増殖し、マナを伸ばしてエルドラージをキャストし殴り勝つランプデッキ。《実物提示教育/Show and Tell》を採用して速度を意識したコンボ寄りの形もある。
◇Burn(3〜4万円)
赤単色で、土地と火力だけで構成されたライフを削ることだけに徹したデッキ。
ライフの回復以外の対策では不十分であり、干渉を受けにくいことが強み。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》はダメ絶対。
◇MUD(約5万円)
《裏切り者の都/City of Traitors》や《古えの墳墓/Ancient Tomb》、《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《金属細工師/Metalworker》といった無色マナ加速から高マナアーティファクトをたたき付けるマナランプデッキ。最近はマナ加速としてPostを採用することも多い。
《虚空の杯 Chalice of the Void》や《三なる宝球/Trinisphere》により相手を妨害しながら一方的に高マナ域のパワーカードをたたき付ける。
特殊地形対策には弱い。
◇Other(Zombardment/WalkingDead)
【Combo】
◇Sneak&Show(約30万円)
《実物提示教育/Show and Tell》と《騙し討ち/Sneak Attack》からファッティを出して勝つデッキで、AVRにて《グリセルブランド/Griselbrand》という最強のクリーチャーを手に入れてからはずっとメタゲームのトップに君臨するようになった。
勝ち手段が明確であり、チェインコンボ等と比較すると駆け引きが少なく、対策の方法もわかりやすいが、安定した速度と《グリセルブランド/Griselbrand》と《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》の強さ故に、デッキの存在が環境にプレッシャーを与え続けている。
◇Omni-Tell(約25万)
主に青単色で組まれる《実物提示教育/Show and Tell》から《全知/Omniscience》を場に出して《無限への突入/Enter the Infinite》を唱えて勝つデッキ。サブプランとして《ドリーム・ホール/Dream Halls》から《無限への突入/Enter the Infinite》をキャストすることもある。
単色で組まれるため、マナディナイアル戦略に非常に強い。また、Sneak&Showに効く《拘留の宝球/Detention Sphere》などによる《実物提示教育/Show and Tell》対策にも《狡猾な願い/Cunning Wish》からの《計略縛り/Trickbind》でかわすことができるため対応力は高い。
ただし、青単色で組まれるため、主にサイド後に投入される《翻弄する魔道士/Meddling Mage》などのヘイトベアーに弱い。また、基本的に3枚コンボであり、安定のために速度を犠牲にしているため、ハンデスから1〜3T目に始動するANTやReanimatorには間に合わず、継続的にハンドを攻めてくる《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》によるロックにも対応ができない。
◇Elves!(15〜20万円)
《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を得て安定した速度を手に入れた生物を使ったコンボデッキ。勝ち手段はエルフを並べてから《自然の秩序/Natural Order》→《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と繋げるか、《垣間見る自然/Glimpse of Nature》から大量にエルフを展開して勝つ。単純に小粒なエルフを展開して殴ったり、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》だけで削りきることもある。
生物を使ったコンボデッキであり、展開力は高いが、全体除去と単体除去を組み合わせて盤面を制圧してくるMiraclesのようなデッキには弱い。基本的にエルフによるシナジーを主体にして組まれていて、誘発能力や1ターンに1回しか使えない起動能力などが多数あり、それらを駆使して戦うため、プレイは難しい。
サイド後は対戦相手に合わせて《自然の秩序/Natural Order》から適切なファッティを持ってくることで対応力を高めることができるが、対戦相手の全体除去の枚数も増えるため、注意が必要。
◇ANT(約30万)
BURのStormデッキ。サイドボードの《突然の衰微/Abrupt Decay》ために緑をタッチしている事が多い。
唯一の勝ち手段である《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を致死量のStormと共に安全に唱えるために選ばれた59枚の塊。Stormを溜めながら手札を整えるドロースペル、《触手》に向かう為に欠かせないマナ加速、フィニッシュを補助する《炎の中の過去/Past in Flames》と《むかつき/Ad Nauseam》、それらを呼び込む《冥府の教示者/Infernal Tutor》や《燃え立つ願い/Burning Wish》、必要最低限の土地で構成されている。勝ちまでの手順を状況に応じて柔軟に変えていく必要があり、決め手が手札に無いまま始動することもあるので、使用にはかなりの練習が必要。コンボデッキではあるが、ドロースペルとハンデスが大量に採用されている為、ハンドコントロールデッキの側面も持つ。
◇TES(15〜25万円)
ANTに近いが、勝ち筋や速度に違いがある。《燃え立つ願い/Burning Wish》から《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をサーチし、ゴブリンを撒くという勝ち筋を強く意識しているため、始動がANTより早いく、マナ加速もANTでは《炎の中の過去/Past in Flames》以外で必要とされない赤マナを供給するために《炎の儀式/Rite of Flame》を採用している。赤への依存度が高く、《沈黙/Silence》のために白をタッチすることもあるので、デュアルランド+フェッチランドより《宝石鉱山/Gemstone Mine》などの五色土地が優先される。
◇High Tide(25〜30万円)
レガシーで最も長い1ターンを作る青単色のStormデッキ。デッキ名でもある《High Tide》がキーカードで、《島/Island》を並べてから《High Tide》を使用し、大量のマナから大量のアドバンテージとStormを生み出して勝つ。
プレイングは常に確率の最大化を意識していれば極端に難しいというわけではないが、正確な計算と最低限のデッキ理解は要する。
スタートから決まるまでが長いため、実際に大会で使用するためには、しっかり練習してプレイの速度を上げておきたい。
◇Imperial Painter(約15万円)
赤単色もしくは白をタッチした《血染めの月/Blood Moon》デッキ。《血染めの月/Blood Moon》だけでなく、《月の大魔術士/Magus of the Moon》やそれをサーチする《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》を採用している。マナ加速から1ターン目に着地する"月"はいくつかのデッキ相手にはゲームを終わらせる力がある。
フィニッシュには生物で殴る以外に、《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを採用し、揃った時のキルターンは早い。
◇UR Painter(20〜25万円)
《丸砥石/Grindstone》と《絵描きの召使い/Painter’s Servant》のコンボを速やかに決めるデッキ。《Transmute Artifact》や《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》といったアーティファクトを利用したシナジーと、《絵描きの召使い/Painter’s Servant》を中心とした色指定のシナジーを組み合わせている。
ライブラリーからのサーチと墓地からの釣り上げを組み合わせたトリッキーな動きもあって面白い。
◇Reanimator、Tin Fins(30〜35万円)
墓地から《グリセルブランド/Griselbrand》などの巨大生物を場に出す、歴史の古いデッキ。
代名詞である《再活性/Reanimate》をはじめとする各種リアニメイトスペルと、好きな生物を墓地に落とすことができる《納墓/Entomb》を組み合わせた高速コンボ。メタに合わせて適切な生物を釣り上げることで柔軟に対応できる。
ただし、サイド後の墓地対策に弱く、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》登場以降はメインでも不利なマッチを強いられることが増えたため、数を減らしている。
他の中速以下のコンボには、ハンデスとカウンターによる妨害を持ち、干渉しにくい墓地利用コンボであることから非常に強い。
◇Dredge(約10万円)
メイン最強と言われる墓地利用デッキ。シナジーを発掘という能力のシナジーを活用したデッキといえるかもしれない。
基本的な動きは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》で手札の発掘持ち生物を墓地置き、さらにライブラリーを墓地に送り込んで墓地を増やし、墓地から直接場に出る生物を利用し、《橋》から大量のトークンを展開し、《戦慄の復活/Dread Return》でフィニッシャーを釣り上げて勝つ。墓地を盤面のように扱うカードの置き方が一般的。
Dredgeの一種で、一切の土地を使用せず、後手を取ることでディスカードを行う、Manaless Dredgeというものもある。発掘をするという点に違いはないが、それに至る動きは全くの別モノ。
◇The Spy/Oops, All Spells!(5〜10万円)
デッキの中から一切の土地を排除し、マナ加速から《欄干のスパイ/Balustrade Spy》を着地させるか、《地底街の密告人/Undercity Informer》の能力を起動し、ライブラリーを全て墓地に落とし、《戦慄の復活/Dread Return》によりコンボを決める、瞬殺コンボデッキ。
非常に1ターンキルの確率が高く、先手では《外科的摘出/Surgical Extraxion》か《Force of Will》以外ではほとんど妨害することができない。
その特性上、青くないあらゆるデッキに強く、青いデッキであっても《Force of Will》を引かれなければ勝てるため、如何に早いターンにコンボを決めることができるか、マリガンとの戦いになる。
基本的な挙動がわかれば、特に練習する必要なく回せるが、普段持ち歩いていても誰も相手をしてくれない。
◇Belcher(10万円)
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を最速で起動するためにあらゆるマナ加速を詰め込んだ瞬殺コンボデッキ。サブプランとして、マナ加速から、場合によっては《燃え立つ願い/Burning Wish》を経由して、《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をキャストするプランを持っている。
《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》本体を打ち消そうとすると《巣穴からの総出/Empty the Warrens》が通ってしまい、早めにカウンターすると数ターン後にリスタートされてしまう。
1ターンキル率はThe Spyより低いが、1ターン目にゴブリンが10体以上並んで、実質ゲームが終わることは少なくない。
やはり青くないデッキには強い。
◇Other(Hypergenesis、Aluren、Foodchain、Enchantress)
以上、レガシーのメタゲームにあるデッキをざっくり紹介した。
全てのデッキに通じているわけではないので、多少の間違いはあるかもしれないが、大体こんなものかと。
気になるデッキがあったら是非深く調べてGPに挑むデッキ選択の参考にして欲しい。
コメント
とても参考になります!
リンクさせてください!!
リンクさせていただきました。
エメラルド(30万)
ダイアモンド(50万)
宝石相場を見てるのかと思いました(脳梗塞)
ありがとうございます。
参考になって良かったです。
これから始めるのは大変ですが、レガシー楽しいんで頑張って下さい!
Foilやら黒枠やらのこだわりが加わると車買えますからね
まあ高いから強いわけではないのですがw
神戸も頑張って下さい!
本戦は2日目残れるように頑張ります!
レガシーはNic Fitであれば組めそうですし、デッキコンセプトとしても面白そうなので試してみます。
10万のデッキが安く感じる…
mtgこわい
決勝のバーンはサイドボーディングミスを後でボロクソに叩かれてましたし、デッキの理解度と正確なプレイングが勝ちを呼んだのでしょう^^
Nic Fitだと《出産の殻》を使ったタイプも考案されているので、流用できそうで良いかもしれませんね
車の免許取るよりデッキ作る方が高い
金額が表示されているところが大変参考になりました。
リンクさせていただきました。
金額は、まあ構築によってかなり上下しますし、ざっくりなんで大体の傾向だけ掴んでもらえればと思います