今回は真面目にレガシーの布教をしようと思う。
スタンダードより人口が少なく、対戦相手に困ることも多いレガシーに一人でもプレイヤーが増えるように願い、書く。
この日記では初となる誰かに読ませることを意識した記事。色々詰め込んだらかなり長くなってしまった。しかし、少しでも多くの人に読んでもらえると、そしてレガシーを始めてもらえると、嬉しい。
リミテ推進記事と違って、あまりMTG初心者向けではないけどね。
主な対象は、
1.既にリミテ→スタンと経過してそれなりにカード資産のある人(以下資産家)
2.過去にMTG歴のある復帰組(以下復帰組)
3.金はあるが時間のない社会人(以下社会人)
<第一編〜レガシーとは〜>
まずはレガシーとはどういうものなのかを説明したい。
レガシーとは、
「古いカードがローテーションによって使えなくなることがないフォーマット」
簡単にいえば、持ってる全てのカードが使えるってこと(禁止カードを除く)。
「資産家」や「復帰組」なら古い資産や懐かしいカードがいつまでも使えるし、「社会人」なら初期投資さえしてしまえば後はそれ程時間や金を使わずに遊び続けることができる。
カードプールが広いので、相対的に1エキスパンションによる影響が小さく、スタンダードやリミテッドのよりも新しいカードやその情報を集める必要性が薄くなる。
例えば【Merfolks】
一度デッキを組んでしまえば、基本的にはそのデッキをずっと使い続けることができる。【Merfolks】好きならば、お気に入りの【Merfolks】をローテーションによってスタンダードからマーフォークという部族が姿を消しても解体することなく使っていられる。
また、新しいカードも新規に収録されたマーフォークとカウンターのうち必要なものだけシングル買いしておけば良いだろう。
もちろん、勝つためにはあらゆるカードの知識を得て、メタを研究する必要があるが、普通に遊ぶにはこれで十分。
初期投資さえしてしまえばその後はほとんど金を注ぎ込むことなく遊べる。「資産家」や「復帰組」ならば昔使っていたカードを使うことで初期投資すら抑えることができる。
このように、長期的な視点で見れば、三ヶ月毎に全カードプールの10%以上を占める新規参入があり、年に一度は環境に存在するカードの約半数が消えてしまうスタンダードを遊び続けるより効率的なのだと理解してもらえるだろうか。
レガシーは、変化を続けるMTGにおいて、比較的変化が緩慢な環境なのだ。(但、メタゲームの変遷は非常に早い)
また、古いカードに対する知識が無くても問題はない。
確かに、カードプールが広すぎて相手がまったく知らないカードを使ってくることはある。
しかし、それは慣れたレガシープレイヤーでも同じこと。突然《Word of Command》をプレイされて、見たことくらいはあっても、オラクルを言えるプレイヤーは限られるだろう。そのためにジャッジが居るんだし、全てのカードのオラクルを何も見ずに言える人はいないだろう。
もちろん、知識は多い方が楽しいけど、習うより慣れろ!知識の少なさなんか気にせず突っ込んで行こう!
エターナルは敷居が高く、参入しにくいイメージがあるが、決してそうではないことをまずは知ってもらいたい。
<第二編〜レガシーの面白さ〜>
前編でも話したとおり、レガシーでは古いカードを使うことができる。
「復帰組」は既に経験しているかもしれないが、昔使っていたデッキや自分の定番だったカードが今は使えなくなっていたなんてことは珍しくない(むしろその方が多い)。
自分には《暗黒の儀式/Dark Ritual》というカードがそうだった。正確には《暗黒の儀式/Dark Ritual》がスタン・エクテンから消えたのでMTGから遠ざかったのだが・・・。
それが、レガシーでは【ANT】や【Mono Black Control(Pox)】といったデッキで《暗黒の儀式/Dark Ritual》を活かして勝つ事ができるのだ。
他にも、《対抗呪文/Counterspell》や《不毛の大地/Wasteland》といった昔の定番カードもレガシーではまだまだ現役。今(スタンダードなど)は使えない大事なカード達。それをまだまだ使い続けられるんだ。
自分の好きなカードを使って勝つ以上に楽しいMTGライフはない。断言できる。
デッキのバリエーションの多さもレガシーの特徴。
カードプールが広いため、大会に出てみると見たことのないようなデッキが溢れている。自分が知っているカードでも、考えたこともないような使い方をされていたりするのだ。
まだまだ気付かれていないようなコンボやシナジーがあるかもしれないと思うと、自分も!なんて気持ちになる。
自分の庭で展開される物語も悪くないけど、未開の地に踏み込むような大冒険の方が心が躍る。
もちろん、自分もそういったスタンダードなどではできないデッキを使うことができる。
自分は、クリーチャーを出して殴り合うデッキってのが基本的に好きではないんだけど、それはスタンダードをやるには致命的で、スタンダードプレイヤーにはどうやって勝つの?って聞かれそう。
でも、レガシーには【ANT】というデッキが存在して、これはメインに1体も生物がいないけど、コンボで相手のライフを吸い尽くして勝つことができるデッキだ。サイドボード後も、《闇の腹心/Dark Confidant》のようなシステムクリーチャーが僅かに入る程度で、《暗黒の儀式/Dark Ritual》などのマナ加速からのストームという流れは変わらない。
自分の好みにこれ以上に合致したデッキはスタンダードやモダンでは作れない。
他にも、単色(又は特定の色)が好きなら【Burn】や【Pox】、瞬殺コンボが好きなら【Hive Mind】、クリーチャーを展開したければ【Goblins】や【Maverick】など、自分の好みにあったデッキを使うことができる。
レガシーに限らずだけど、マジックは楽しんだら勝ちだからねぇ。
<第三編〜実践〜>
では、実際にレガシーをはじめる為にどうしたら良いか。
最初は当然、メタなんかわからないし、レガシー用のカード資産もないので、誰かにデッキを借りて色んなデッキと戦ってみるのがベスト。
ただ、それは既にMTGをプレイしていて、周りにレガシープレイヤーが沢山いる前提でしか成り立たない。
これからMTGを始める人や、周囲に先行してレガシーを始める場合はとりあえず自分のデッキを持っておく必要がある。
では、どんなデッキを組むべきか・・・
既にスタンダードなどでMTG歴があるような「復帰組」や「資産家」は、SCGやGPのような参加人数の多い大会で上位に入ったデッキから、自分の好きな色やデッキタイプに合致するデッキを調べ、そのコピーを組んでみるのが良い。また、最近のものであれば、過去にスタンダードで使っていたデッキに+α(カウブレ+奇跡のように)しても十分に戦うことができる。
それなりにマジックを知っているなら、好きな(又は慣れた)デッキを使っていくのが一番だろう。
MTG経験の薄い「社会人」ならば、オススメはテンポデッキ。
【RUG Delver】や【Merfolks】、【Team America】のような、生物を展開してから相手をカウンターで妨害し、速やかに殴りきるようなデッキが良い(【Merfolks】をテンポデッキと呼ぶことには異論があるかもしれないが、ここではテンポデッキとしてひとくくりにする)。
こういったデッキは、殴り合いによるライフ計算から相手への妨害まで、能動的な面と受動的な面の双方が要求される。そのため、プレイングは難しいが、プレイするだけでマジックの基礎から応用まで学ぶことができる。
また、相手への妨害を考える中で、自分のプレイだけでなく相手のプレイやデッキに関する知識が蓄積されていくことにもなる。大会などで対戦したり、対戦後に相手と話したりして少し反省点を振り返っていくだけで、自分のデッキのプレイングだけでなく、マジックそのものに対する思考能力を向上させることができる筈だ。
決して簡単に使い熟せるデッキではないので、最初は全く勝てないかもしれないが、確実にマジックが上手くなる。テンポデッキ、金銭的な負担の軽減を考えるのであればデュアルランドを買う必要のない【Merfolk】、の使用を勧めたい。
※とりあえず勝ちたいだけなら【Sneak and Show】など《実物提示教育/Show and Tell》を主体としたコンボデッキを使えば良いが、勝つにしても負けるにしても駆け引きの少ないゲームになり易いのでお勧めはしない。
レガシーを始めるにあたって色々とカードを買わなければならないが、とりあえずは1デッキ分の必要最小限を買おう。
最初にデュアルランド40枚買うところから始める人もいるが、そこまでする必要はない(レガシープレイヤーでも40枚揃っている人は多く無いし)。
デュアルランドを使わない単色デッキは沢山あるし、多色でもデュアルランドを4積みする必要がない場合も少なくない
レガシーをプレイしていれば欲しいカードは後から、それも無限にも思えるくらいに出てくるので、とりあえずは1デッキ分を買ってプレイし、レガシーという環境を知り、他のデッキを使いたくなったら追加で購入すれば良いだろう。
ま、「社会人」の中でも本当に金が余ってるような連中(ブルジョア)ならデュアルランド40枚、フェッチランド40枚からMTG始めたら良いんじゃないかな?黒枠デュアルランドとかシブいよ?いや、むしろヴィンテージやろうか。
もちろん、既所持のスタンダードやモダンのデッキでも禁止カードに気をつければレガシーの大会に出ることができる。
そんなデッキじゃ勝てないと思うかもしれないが、メタ外である故に、気付いたら勝ち進んでいるなんてこともある。
スタンダのデッキでレガシーのお試し、なんてのも悪くない。
<第四編〜大会に参加してみる〜>
構築最大勢力のスタンダードに比べて、プレイヤーも大会も少ないのがレガシー最大の難点(それでも第二勢力だろうが)だ。
リアルだけでなく、MOに手を伸ばしてもDEが立たないという悲しい状況。とりあえずはインターネットなどを駆使して近くの大会を探すしかない。
方法はMTG公式やDiary Noteなど。
一人でもレガシープレイヤーが増えるように、君もレガシーを始めて一緒に布教しよう♪
b(*^∇゚)ステマー
<第五編〜勝つためには〜>
レガシーを始めて、何回か対戦をして少し慣れてきても、最初はなかなか勝てないだろう。
では勝つためにどうしたら良いか・・・。
俺が知りたい!!(オィ
正直、こっから先の内容は考え方によっては違う結論が出る可能性もある。ここに書かれる内容が正しいと思わないでほしい。
書いてるのもただの雑魚プレイヤーだしさ。
Φ第一章Φ
自分のデッキを知ること。
自分のデッキを正しくミス無く回すことができなければ勝てる筈がない。
とりあえず最低限として自分のデッキリストは覚えておきたい。
《Force of Will》を使うなら青いカードの枚数を、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が入ったデッキならばインスタント&ソーサリーの枚数を確認しておきたいし、《闇の腹心/Dark Confidant》や《むかつき/Ad Nauseam》を使うなら点数でみたマナコストの平均も計算しておくべきだろう。
こういった枚数や構成の確認は基本だが、それだけで適切なプレイができるわけではない。
自分のデッキの特性や勝ち手段をしっかり把握しておかなければ当然ミスが生まれる。
【RUG Delver】が何も展開せずに打ち消し呪文を構えていても勝てる筈がないし、【Burn】が1t目から生物を焼きはじめたら相手を焼き切る前に火力が尽きるのは必然だ。
自分のデッキがどうしたら勝てるのか、十分に研究・把握しておこう。
Φ第二章Φ
相手のデッキを知ること。
自分のデッキが理解できたら、環境に存在する他のデッキに関する知識を仕入れよう。
どんなデッキがあって、どんな構成で、どんな勝ち手段を採っているのか。多様なデッキの存在するレガシーで全てのデッキを把握することははかなり大変だが、それがわからなければ、相手のプレイに対して自分がどんな行動をとれば良いかもわからない。
「社会人」にテンポデッキを勧めたのも、テンポデッキが相手のデッキに対する知識が強く求められるデッキだからだ。序盤に生物を展開し、相手の動きを止めながら殴りきる。かといって相手のすべての行動を潰していくことはできないので、相手のキーカードを適切に処理していく必要がある。
どの動きにどう対応すべきか、相手の勝ち筋を考えながらプレイする必要があるため、テンポデッキをプレイするだけで自然と相手の動きに意識が行き、対戦した相手のデッキを良く知ることができる筈だ。
他のデッキを知ることは、、自分のデッキやその動き、サイドプランなどを決めるためにとても重要だ。
【ANT】に墓地対策が効くなんて、《むかつき/Ad Nauseam》を見ても、【ANT】というデッキを知らなければわからないからね。
Φ第三章Φ
対策を立てる。
MTGというゲームは、完成度が非常に高く、どんなに考えても最強のデッキは存在しない。
比較的勝ちやすい【Sneak and Show】も【RUG Delver】が相手では苦しい戦いを強いられるし、勝負はサイド後(メインはほぼ勝ち)と言われる【Dredge】でも【Helm Void】に勝とうなんて無理な話だ。
どんなデッキにも弱点や苦手な相手があり、苦手な相手への対策を欠かせば勝つことはできない。
逆に言えば、サイドボード後に、それらの苦手なデッキに対して強くなる構成を採っておけば、本来勝つことが難しいマッチングにも勝利することができる。
当然、相手にもサイドボードがあり、相手のサイドボードへの対策まで考えていかなければならないので簡単ではない。
しかし、前章までで話したように、自分のデッキと環境を十分に把握して対策したなら、きっと、最善のサイドプランからどんなデッキが相手でもマッチに勝利する蓋然性を高めていくことができるはずだ。
Φ第四章Φ
精神的優位に立つ。
もし自分が自信なく自分の場だけを見ていたら相手の行動を予測することができるだろうか?いや、相手の目や手の動きを見ずには不可能だろう。
むしろ俯き加減で不安そうな相手ならば様子を見ながら誘導して上手く誘い込むこともできるのではないか?
精神的に不利な立場から戦ったとしても、ミスをし、実力を発揮することがなく負けてしまう。「強そう」というイメージがその人を強くすることもあるのだ。
プレイする時は自分の殻に篭るのではなく、目付けは遠山の目付け(相手の顔を見ながらも、一点を凝視するのではなく、遠くの山を見るように相手の全体を視野に入れること)で、自分には対戦相手がいることを意識しよう。
Φ第五章Φ
考える。
常に自分のプレイを考える。
勝とうが負けようが、ゲームの中で人によって意見のわかれるポイントは必ず存在する。
自分としてはより勝利に繋がる蓋然性の高い選択をしていると思っているだろう。しかし、それが本当に勝利への道だったのかは検討しなければならない。
十分な検討なく放置していれば、それが回り道であったとしても、気が付かずに次も同じ道を通ってしまうだろう。
他人のプレイでも良い。
他人のプレイを見るの中で、自分ならこうした、という意見も出てくるだろう。それがプロのプレイでも。
上手いプレイヤーが何故自分と違う選択をしたのか、自分が正しい可能性もあるが、そのプレイヤーがその選択をした意図を十分に理解すれば、自分の選択が間違っていると気付くかもしれない。
そうした時、それが自分のプレイでなくても、自分の経験になるだろう。
また、どんなに自分のデッキを知り、環境を掌握し、それを基に考えたとしても、全てを見通すことができるわけではない。
現実とは想像よりも劇的である。
コトの大小はあれど、必ず想定外の事態が発生すると考えた方が良い。
そんなときにも最善の策を採らなければならない。
冷静かつ客観的な視点から自分がどうすべきかを判断できるように十分な練習を積んでおく必要があるだろう。
ただ、プレイ中に、存在する無数の可能性のすべて検討し、より確率の高い方法を計算しているような時間はない。時には直感が漠然と回答を導き出してくれることもあるかもしれない。
しかし、その回答がより確実なものであるためには、経験もより確実なものでなくてはならない。
自分の間違いに気付かなければ、経験も間違って蓄積されてしまう。
常にプレイについて考え、より適切な経験を積み重ね、正しい答えを導く勘を身につけていこう。
Φ第六章Φ
仲間をつくる。
一人でマジックをやっていても強くなるには限界がある。1人と10人では考えられる範囲もレベルも違う。細かい部分(思考の重複など)を無視した単純な計算だが、IQ200の天才でも2人分の頭脳しかないわけで、1人が10人に敵うわけがない。ましてやレガシープレイヤーなんか何万人もいるのだから、自分が考えていなかったコトをしてくる人がいない方がおかしい。
コンボデッキなら大丈夫なんて言う人もいるだろう。確かに、コンボデッキなら自分のプレイの大半が相手の行動と関係のない自分にとって最善の選択肢を採るプレイだろう。しかし、ゲームの勝敗は残りの一部の選択によって決すると言っていい。
例えば【ANT】の場合、コンボを決めるには十分な量のマナ加速とAdさえあれば良い。しかし、実際に勝つ為には、相手のハンドを覗きながら、それができなければ相手の動きを見ながら、いつコンボをスタートするか考えなければならない。【RUG Delver】が相手なら、カウンターという危険がいくつあり、自分の残ライフを数えながらコンボが通るタイミングを見極めていく必要がある。【MUD】が相手なら《虚空の杯/Chalice of the Void》などの致命的な妨害手段が場に出てしまう前に速やかにゲームを決めなければならない。
そういった知識や経験も、自分一人では手に入らない。
ともに練習し、意見し合う仲間がいて、やっと一人前のMTGプレイヤーだ。
Φ第七章Φ
マジックを楽しむ。
楽しくなけりゃMTGなんか辞めてしまえ。
自分のカードやデッキを大事にし、勝負を楽しんでこそマジックだ。マジックが好きならば、マジックを楽しむ中で自ら研究し、練習し、強くなっていく。
「好きこそものの上手なれ」
楽しむことが強くなるための一番の近道だ!!
《第六編〜おわりに〜》
ここまで書いた内容はレガシー全体の大まかな話。ここからより具体的な個別の考察をしていくことになる。
自分自身、これからも研究を続け、精進したい。
ま、楽しけりゃそれで良ぇら。
スタンダードより人口が少なく、対戦相手に困ることも多いレガシーに一人でもプレイヤーが増えるように願い、書く。
この日記では初となる誰かに読ませることを意識した記事。色々詰め込んだらかなり長くなってしまった。しかし、少しでも多くの人に読んでもらえると、そしてレガシーを始めてもらえると、嬉しい。
リミテ推進記事と違って、あまりMTG初心者向けではないけどね。
主な対象は、
1.既にリミテ→スタンと経過してそれなりにカード資産のある人(以下資産家)
2.過去にMTG歴のある復帰組(以下復帰組)
3.金はあるが時間のない社会人(以下社会人)
<第一編〜レガシーとは〜>
まずはレガシーとはどういうものなのかを説明したい。
レガシーとは、
「古いカードがローテーションによって使えなくなることがないフォーマット」
簡単にいえば、持ってる全てのカードが使えるってこと(禁止カードを除く)。
「資産家」や「復帰組」なら古い資産や懐かしいカードがいつまでも使えるし、「社会人」なら初期投資さえしてしまえば後はそれ程時間や金を使わずに遊び続けることができる。
カードプールが広いので、相対的に1エキスパンションによる影響が小さく、スタンダードやリミテッドのよりも新しいカードやその情報を集める必要性が薄くなる。
例えば【Merfolks】
一度デッキを組んでしまえば、基本的にはそのデッキをずっと使い続けることができる。【Merfolks】好きならば、お気に入りの【Merfolks】をローテーションによってスタンダードからマーフォークという部族が姿を消しても解体することなく使っていられる。
また、新しいカードも新規に収録されたマーフォークとカウンターのうち必要なものだけシングル買いしておけば良いだろう。
もちろん、勝つためにはあらゆるカードの知識を得て、メタを研究する必要があるが、普通に遊ぶにはこれで十分。
初期投資さえしてしまえばその後はほとんど金を注ぎ込むことなく遊べる。「資産家」や「復帰組」ならば昔使っていたカードを使うことで初期投資すら抑えることができる。
このように、長期的な視点で見れば、三ヶ月毎に全カードプールの10%以上を占める新規参入があり、年に一度は環境に存在するカードの約半数が消えてしまうスタンダードを遊び続けるより効率的なのだと理解してもらえるだろうか。
レガシーは、変化を続けるMTGにおいて、比較的変化が緩慢な環境なのだ。(但、メタゲームの変遷は非常に早い)
また、古いカードに対する知識が無くても問題はない。
確かに、カードプールが広すぎて相手がまったく知らないカードを使ってくることはある。
しかし、それは慣れたレガシープレイヤーでも同じこと。突然《Word of Command》をプレイされて、見たことくらいはあっても、オラクルを言えるプレイヤーは限られるだろう。そのためにジャッジが居るんだし、全てのカードのオラクルを何も見ずに言える人はいないだろう。
もちろん、知識は多い方が楽しいけど、習うより慣れろ!知識の少なさなんか気にせず突っ込んで行こう!
エターナルは敷居が高く、参入しにくいイメージがあるが、決してそうではないことをまずは知ってもらいたい。
<第二編〜レガシーの面白さ〜>
前編でも話したとおり、レガシーでは古いカードを使うことができる。
「復帰組」は既に経験しているかもしれないが、昔使っていたデッキや自分の定番だったカードが今は使えなくなっていたなんてことは珍しくない(むしろその方が多い)。
自分には《暗黒の儀式/Dark Ritual》というカードがそうだった。正確には《暗黒の儀式/Dark Ritual》がスタン・エクテンから消えたのでMTGから遠ざかったのだが・・・。
それが、レガシーでは【ANT】や【Mono Black Control(Pox)】といったデッキで《暗黒の儀式/Dark Ritual》を活かして勝つ事ができるのだ。
他にも、《対抗呪文/Counterspell》や《不毛の大地/Wasteland》といった昔の定番カードもレガシーではまだまだ現役。今(スタンダードなど)は使えない大事なカード達。それをまだまだ使い続けられるんだ。
自分の好きなカードを使って勝つ以上に楽しいMTGライフはない。断言できる。
デッキのバリエーションの多さもレガシーの特徴。
カードプールが広いため、大会に出てみると見たことのないようなデッキが溢れている。自分が知っているカードでも、考えたこともないような使い方をされていたりするのだ。
まだまだ気付かれていないようなコンボやシナジーがあるかもしれないと思うと、自分も!なんて気持ちになる。
自分の庭で展開される物語も悪くないけど、未開の地に踏み込むような大冒険の方が心が躍る。
もちろん、自分もそういったスタンダードなどではできないデッキを使うことができる。
自分は、クリーチャーを出して殴り合うデッキってのが基本的に好きではないんだけど、それはスタンダードをやるには致命的で、スタンダードプレイヤーにはどうやって勝つの?って聞かれそう。
でも、レガシーには【ANT】というデッキが存在して、これはメインに1体も生物がいないけど、コンボで相手のライフを吸い尽くして勝つことができるデッキだ。サイドボード後も、《闇の腹心/Dark Confidant》のようなシステムクリーチャーが僅かに入る程度で、《暗黒の儀式/Dark Ritual》などのマナ加速からのストームという流れは変わらない。
自分の好みにこれ以上に合致したデッキはスタンダードやモダンでは作れない。
他にも、単色(又は特定の色)が好きなら【Burn】や【Pox】、瞬殺コンボが好きなら【Hive Mind】、クリーチャーを展開したければ【Goblins】や【Maverick】など、自分の好みにあったデッキを使うことができる。
レガシーに限らずだけど、マジックは楽しんだら勝ちだからねぇ。
<第三編〜実践〜>
では、実際にレガシーをはじめる為にどうしたら良いか。
最初は当然、メタなんかわからないし、レガシー用のカード資産もないので、誰かにデッキを借りて色んなデッキと戦ってみるのがベスト。
ただ、それは既にMTGをプレイしていて、周りにレガシープレイヤーが沢山いる前提でしか成り立たない。
これからMTGを始める人や、周囲に先行してレガシーを始める場合はとりあえず自分のデッキを持っておく必要がある。
では、どんなデッキを組むべきか・・・
既にスタンダードなどでMTG歴があるような「復帰組」や「資産家」は、SCGやGPのような参加人数の多い大会で上位に入ったデッキから、自分の好きな色やデッキタイプに合致するデッキを調べ、そのコピーを組んでみるのが良い。また、最近のものであれば、過去にスタンダードで使っていたデッキに+α(カウブレ+奇跡のように)しても十分に戦うことができる。
それなりにマジックを知っているなら、好きな(又は慣れた)デッキを使っていくのが一番だろう。
MTG経験の薄い「社会人」ならば、オススメはテンポデッキ。
【RUG Delver】や【Merfolks】、【Team America】のような、生物を展開してから相手をカウンターで妨害し、速やかに殴りきるようなデッキが良い(【Merfolks】をテンポデッキと呼ぶことには異論があるかもしれないが、ここではテンポデッキとしてひとくくりにする)。
こういったデッキは、殴り合いによるライフ計算から相手への妨害まで、能動的な面と受動的な面の双方が要求される。そのため、プレイングは難しいが、プレイするだけでマジックの基礎から応用まで学ぶことができる。
また、相手への妨害を考える中で、自分のプレイだけでなく相手のプレイやデッキに関する知識が蓄積されていくことにもなる。大会などで対戦したり、対戦後に相手と話したりして少し反省点を振り返っていくだけで、自分のデッキのプレイングだけでなく、マジックそのものに対する思考能力を向上させることができる筈だ。
決して簡単に使い熟せるデッキではないので、最初は全く勝てないかもしれないが、確実にマジックが上手くなる。テンポデッキ、金銭的な負担の軽減を考えるのであればデュアルランドを買う必要のない【Merfolk】、の使用を勧めたい。
※とりあえず勝ちたいだけなら【Sneak and Show】など《実物提示教育/Show and Tell》を主体としたコンボデッキを使えば良いが、勝つにしても負けるにしても駆け引きの少ないゲームになり易いのでお勧めはしない。
レガシーを始めるにあたって色々とカードを買わなければならないが、とりあえずは1デッキ分の必要最小限を買おう。
最初にデュアルランド40枚買うところから始める人もいるが、そこまでする必要はない(レガシープレイヤーでも40枚揃っている人は多く無いし)。
デュアルランドを使わない単色デッキは沢山あるし、多色でもデュアルランドを4積みする必要がない場合も少なくない
レガシーをプレイしていれば欲しいカードは後から、それも無限にも思えるくらいに出てくるので、とりあえずは1デッキ分を買ってプレイし、レガシーという環境を知り、他のデッキを使いたくなったら追加で購入すれば良いだろう。
ま、「社会人」の中でも本当に金が余ってるような連中(ブルジョア)ならデュアルランド40枚、フェッチランド40枚からMTG始めたら良いんじゃないかな?黒枠デュアルランドとかシブいよ?いや、むしろヴィンテージやろうか。
もちろん、既所持のスタンダードやモダンのデッキでも禁止カードに気をつければレガシーの大会に出ることができる。
そんなデッキじゃ勝てないと思うかもしれないが、メタ外である故に、気付いたら勝ち進んでいるなんてこともある。
スタンダのデッキでレガシーのお試し、なんてのも悪くない。
<第四編〜大会に参加してみる〜>
構築最大勢力のスタンダードに比べて、プレイヤーも大会も少ないのがレガシー最大の難点(それでも第二勢力だろうが)だ。
リアルだけでなく、MOに手を伸ばしてもDEが立たないという悲しい状況。とりあえずはインターネットなどを駆使して近くの大会を探すしかない。
方法はMTG公式やDiary Noteなど。
一人でもレガシープレイヤーが増えるように、君もレガシーを始めて一緒に布教しよう♪
b(*^∇゚)ステマー
<第五編〜勝つためには〜>
レガシーを始めて、何回か対戦をして少し慣れてきても、最初はなかなか勝てないだろう。
では勝つためにどうしたら良いか・・・。
俺が知りたい!!(オィ
正直、こっから先の内容は考え方によっては違う結論が出る可能性もある。ここに書かれる内容が正しいと思わないでほしい。
書いてるのもただの雑魚プレイヤーだしさ。
Φ第一章Φ
自分のデッキを知ること。
自分のデッキを正しくミス無く回すことができなければ勝てる筈がない。
とりあえず最低限として自分のデッキリストは覚えておきたい。
《Force of Will》を使うなら青いカードの枚数を、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が入ったデッキならばインスタント&ソーサリーの枚数を確認しておきたいし、《闇の腹心/Dark Confidant》や《むかつき/Ad Nauseam》を使うなら点数でみたマナコストの平均も計算しておくべきだろう。
こういった枚数や構成の確認は基本だが、それだけで適切なプレイができるわけではない。
自分のデッキの特性や勝ち手段をしっかり把握しておかなければ当然ミスが生まれる。
【RUG Delver】が何も展開せずに打ち消し呪文を構えていても勝てる筈がないし、【Burn】が1t目から生物を焼きはじめたら相手を焼き切る前に火力が尽きるのは必然だ。
自分のデッキがどうしたら勝てるのか、十分に研究・把握しておこう。
Φ第二章Φ
相手のデッキを知ること。
自分のデッキが理解できたら、環境に存在する他のデッキに関する知識を仕入れよう。
どんなデッキがあって、どんな構成で、どんな勝ち手段を採っているのか。多様なデッキの存在するレガシーで全てのデッキを把握することははかなり大変だが、それがわからなければ、相手のプレイに対して自分がどんな行動をとれば良いかもわからない。
「社会人」にテンポデッキを勧めたのも、テンポデッキが相手のデッキに対する知識が強く求められるデッキだからだ。序盤に生物を展開し、相手の動きを止めながら殴りきる。かといって相手のすべての行動を潰していくことはできないので、相手のキーカードを適切に処理していく必要がある。
どの動きにどう対応すべきか、相手の勝ち筋を考えながらプレイする必要があるため、テンポデッキをプレイするだけで自然と相手の動きに意識が行き、対戦した相手のデッキを良く知ることができる筈だ。
他のデッキを知ることは、、自分のデッキやその動き、サイドプランなどを決めるためにとても重要だ。
【ANT】に墓地対策が効くなんて、《むかつき/Ad Nauseam》を見ても、【ANT】というデッキを知らなければわからないからね。
Φ第三章Φ
対策を立てる。
MTGというゲームは、完成度が非常に高く、どんなに考えても最強のデッキは存在しない。
比較的勝ちやすい【Sneak and Show】も【RUG Delver】が相手では苦しい戦いを強いられるし、勝負はサイド後(メインはほぼ勝ち)と言われる【Dredge】でも【Helm Void】に勝とうなんて無理な話だ。
どんなデッキにも弱点や苦手な相手があり、苦手な相手への対策を欠かせば勝つことはできない。
逆に言えば、サイドボード後に、それらの苦手なデッキに対して強くなる構成を採っておけば、本来勝つことが難しいマッチングにも勝利することができる。
当然、相手にもサイドボードがあり、相手のサイドボードへの対策まで考えていかなければならないので簡単ではない。
しかし、前章までで話したように、自分のデッキと環境を十分に把握して対策したなら、きっと、最善のサイドプランからどんなデッキが相手でもマッチに勝利する蓋然性を高めていくことができるはずだ。
Φ第四章Φ
精神的優位に立つ。
もし自分が自信なく自分の場だけを見ていたら相手の行動を予測することができるだろうか?いや、相手の目や手の動きを見ずには不可能だろう。
むしろ俯き加減で不安そうな相手ならば様子を見ながら誘導して上手く誘い込むこともできるのではないか?
精神的に不利な立場から戦ったとしても、ミスをし、実力を発揮することがなく負けてしまう。「強そう」というイメージがその人を強くすることもあるのだ。
プレイする時は自分の殻に篭るのではなく、目付けは遠山の目付け(相手の顔を見ながらも、一点を凝視するのではなく、遠くの山を見るように相手の全体を視野に入れること)で、自分には対戦相手がいることを意識しよう。
Φ第五章Φ
考える。
常に自分のプレイを考える。
勝とうが負けようが、ゲームの中で人によって意見のわかれるポイントは必ず存在する。
自分としてはより勝利に繋がる蓋然性の高い選択をしていると思っているだろう。しかし、それが本当に勝利への道だったのかは検討しなければならない。
十分な検討なく放置していれば、それが回り道であったとしても、気が付かずに次も同じ道を通ってしまうだろう。
他人のプレイでも良い。
他人のプレイを見るの中で、自分ならこうした、という意見も出てくるだろう。それがプロのプレイでも。
上手いプレイヤーが何故自分と違う選択をしたのか、自分が正しい可能性もあるが、そのプレイヤーがその選択をした意図を十分に理解すれば、自分の選択が間違っていると気付くかもしれない。
そうした時、それが自分のプレイでなくても、自分の経験になるだろう。
また、どんなに自分のデッキを知り、環境を掌握し、それを基に考えたとしても、全てを見通すことができるわけではない。
現実とは想像よりも劇的である。
コトの大小はあれど、必ず想定外の事態が発生すると考えた方が良い。
そんなときにも最善の策を採らなければならない。
冷静かつ客観的な視点から自分がどうすべきかを判断できるように十分な練習を積んでおく必要があるだろう。
ただ、プレイ中に、存在する無数の可能性のすべて検討し、より確率の高い方法を計算しているような時間はない。時には直感が漠然と回答を導き出してくれることもあるかもしれない。
しかし、その回答がより確実なものであるためには、経験もより確実なものでなくてはならない。
自分の間違いに気付かなければ、経験も間違って蓄積されてしまう。
常にプレイについて考え、より適切な経験を積み重ね、正しい答えを導く勘を身につけていこう。
Φ第六章Φ
仲間をつくる。
一人でマジックをやっていても強くなるには限界がある。1人と10人では考えられる範囲もレベルも違う。細かい部分(思考の重複など)を無視した単純な計算だが、IQ200の天才でも2人分の頭脳しかないわけで、1人が10人に敵うわけがない。ましてやレガシープレイヤーなんか何万人もいるのだから、自分が考えていなかったコトをしてくる人がいない方がおかしい。
コンボデッキなら大丈夫なんて言う人もいるだろう。確かに、コンボデッキなら自分のプレイの大半が相手の行動と関係のない自分にとって最善の選択肢を採るプレイだろう。しかし、ゲームの勝敗は残りの一部の選択によって決すると言っていい。
例えば【ANT】の場合、コンボを決めるには十分な量のマナ加速とAdさえあれば良い。しかし、実際に勝つ為には、相手のハンドを覗きながら、それができなければ相手の動きを見ながら、いつコンボをスタートするか考えなければならない。【RUG Delver】が相手なら、カウンターという危険がいくつあり、自分の残ライフを数えながらコンボが通るタイミングを見極めていく必要がある。【MUD】が相手なら《虚空の杯/Chalice of the Void》などの致命的な妨害手段が場に出てしまう前に速やかにゲームを決めなければならない。
そういった知識や経験も、自分一人では手に入らない。
ともに練習し、意見し合う仲間がいて、やっと一人前のMTGプレイヤーだ。
Φ第七章Φ
マジックを楽しむ。
楽しくなけりゃMTGなんか辞めてしまえ。
自分のカードやデッキを大事にし、勝負を楽しんでこそマジックだ。マジックが好きならば、マジックを楽しむ中で自ら研究し、練習し、強くなっていく。
「好きこそものの上手なれ」
楽しむことが強くなるための一番の近道だ!!
《第六編〜おわりに〜》
ここまで書いた内容はレガシー全体の大まかな話。ここからより具体的な個別の考察をしていくことになる。
自分自身、これからも研究を続け、精進したい。
ま、楽しけりゃそれで良ぇら。
コメント
MOCS(だっけ?)前に人が増えたような話は聞いてましたが、その後も好調なんですね
地方でもレガシープレイヤーと大会が
さらに増えて欲しいね〜